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料理のプロが伝授!「エコうま」な知恵 
プロの料理研究家の先生方に、食材を大切に使うヒント、祖父母から引き継いだ「エコうま」の知恵、おすすめの「エコうま」メニューなどをうかがいました。先生方の言葉には、食材を丸ごとおいしく食べて欲しいという作り手の思いが込められています。

  • Episode 3 若林三弥子先生
  • Episode 2 安井レイコ先生
  • Episode 1 田村隆先生
Episode 1 田村隆先生 【おいしい食材を余すところなく全部食べてもらいたい。食べる相手のことを考えることがエコになります。】田村隆さん 昭和21年に築地に開業した「つきぢ田村」の伝統を受け継ぐ3代目の田村隆さん。「素材を大切に使うことは、料理人にとっては当たり前のこと」というプロの視点から「エコうまレシピ」についてお聞きしました。
今回ご紹介するのはかぼちゃ丸ごと食べ切りレシピ。詳しくはこちら

おいしい素材は丸ごと全部食べてもらいたい

うちの祖父は、大根の皮をむいてそのままにしておくと、「その皮はどないするつもりやねん?」と聞いてきた。皮を素材のひとつとして見ているか?ってことですよね。実を使って料理をする前に、むいた皮を刻むとか干すとかきちんと下処理をすることが必要になります。また、下処理は先にしてしまうのがポイント。

そうすると台所も片付いていく。後まわしにすると、面倒になってついつい捨ててしまいますよね。

魚も三枚におろしたら、まず骨の間に残った「中落ち」の身をきれいに取れと言われた。「つきぢ田村」では、この「中落ち」をせせって、茹でてほぐして、味付けして鯛茶漬けの素を作ってます。

これは、「ケチ」ではないんですよ。
いい魚の「中落ち」は安い魚の身よりもおいしい。だったら鮮度のいいうちに使ってお客さんに喜んでもらおうということ。
おいしい素材は丸ごと全部食べて欲しいですよね。だから、丸ごと食べるためにいろいろ工夫するんです。

部位ごとに分けられたかぼちゃ

家庭での「エコうまレシピ」のコツ

料亭では、一番だしや二番だしなどありますが、家庭でやるのは大変だし無駄も多い。それよりも、「ほんだし」などを使うのもいいと思います。さらに、そこに昆布の角切りを一切れ入れると相乗効果でおいしくなります。ほんの一手間さらにかけるだけで、おいしくなりますから。

また、大根やかぼちゃの皮をむくとき、もったいないからって薄くむいてませんか?先に話した様に、皮も素材と思ってあえて厚くむくことで、皮ならではの食感や味も活かすことができ、もう一つの立派なお料理になります。干したり、キンピラにしたり、かき揚げにしたりね。

あと、「お得」と思って大きなものを買うでしょう。私は使う分だけ買うのもいいと思いますよ。たくさん使わないご家庭では、一升瓶のしょうゆを買ってどんどん酸化させてしまうより、小さい瓶で買っておいしいうちに使い切るほうがいいと思います。

改めて見直されていること

最近、エコが話題になっていますがテレビのニュースなどを見ながら、親父と「おじいちゃんがやっていたことだよなぁ」と話しています。材料を無駄にしない、というのは調理場では当たり前のことですからね。

いいところを使って料理するのは誰でもできる、野菜のヘタでもヘタに見せてないというのが「料理人」なんですよ。それが「調理人」との違い。
ニンジンを切るときでも角度を変えて斜めに切っていくことで、同じ大きさになる。そうすると余分な端っこが出ないでしょ。

料理するときに、素材や相手を想うこと。それが、エコにつながるのではないでしょうか。素材を丸ごと全部、おいしく、残さず食べてもらおう、と考えて、いろいろと工夫することって楽しいですよね。楽しみながら、いろいろ試してみてください。

「つきぢ田村」の厨房で3代に渡って受け継がれてきた「材料を大切にする工夫」。それは、「おいしいものは丸ごと全部食べてもらいたい」との料理人の思いです。
「人の話をいろいろ聞くことで、また創意工夫につながる」と新しい挑戦をする田村さん。
材料を使い切るためにも創意工夫があります。
今回のかぼちゃの「丸ごと食べ切りレシピ」でも、厨房で生まれたひらめきをプラスして、新しい「エコうま」のアイディアを教えていただけました。

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かぼちゃ 丸ごと食べ切りレシピ

夏においしい野菜・かぼちゃを丸ごと使い切る料理方法を紹介します。皮や種のまわりのワタにもかぼちゃのおいしさがあります。いろいろな料理法で、ヘタと種以外のかぼちゃを丸ごと味わいましょう。
  • にっころかぼちゃ
  • かぼちゃのそぼろ煮
  • かぼちゃの皮のかき揚げ
  • かぼちゃのスープ
【ココが「エコうま」ポイント】✓皮とワタは厚めに取る:皮やワタは「捨てるところ」と思うと薄く取ってしまいますが、「使い切る」という視点に立って、思いきって厚くむいてしまいましょう。今回はワタはスープに、皮はかき揚げにして、それぞれの特徴を活かしました。✓面取りは煮崩れする素材にだけにするもの:「面取り」は煮崩れを防ぐためにするものです。大根や人参などには特に必要ありません。かぼちゃやいも類のようにでんぷん質のかたまりの素材には有効です。もちろん面取りした部分も有効利用しましょう。✓煮るときは大きさをそろえる:大きさをそろえれば、均一に火が入り、煮崩れしにくくなります。また、厚さが同じ部位ごとにそろえるとより効果的!✓煮て冷ますを繰り返す:煮物は冷めるときに素材に味が染みこみます。煮立ったら火を止めて冷ます、を繰り返すと、無駄なエネルギーを使わず、効果的に味が染みます。
Recipe1 にっころかぼちゃ [材料] 
かぼちゃ(真ん中の部分):正味800g、
「ほんだし®」:小さじ1、
水:カップ1・1/2、
A しょうゆ:大さじ1、
A 砂糖:大さじ1・1/2、
B バター:20g、
B しょうゆ:小さじ1/2
にっころかぼちゃ
[作り方]
[1]かぼちゃの真ん中の部分は皮をむき、ワタの部分と種を取り除き、均一な大きさに切り、面取りをする。
[2]フライパンに「ほんだし®」、水を入れ、[1]のかぼちゃを重ならないように並べ、中火にかける。
[3]煮立ってきたらアクを取り、Aを加え、落しぶとをして弱火にする。
[4]竹串がスッと通るくらいにかぼちゃがやわらかくなったら、火を止め、落としぶたを取って5分程度冷ます。
再び中火にかけて煮立ったら火を止め、冷ます。
[5]最後に強火にかけ、Bを加え、全体をからめるようにしてつやを出す。だしは残る程度にしておく。
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Recipe2 かぼちゃのそぼろ煮 [材料] 
かぼちゃ(上の部分):正味300g、
鶏ひき肉:150g、
水:カップ1・1/2、
「味の素KK 丸鶏がらスープ」:小さじ1・1/2、
「ほんだし® こんぶだし」:小さじ1、
A 砂糖:大さじ1、
A しょうゆ:大さじ1、
絹さや:適量
かぼちゃのそぼろ煮
[作り方]
[1]かぼちゃは皮をむき、ワタと種を取り除き、均一な大きさに切り、面取りをする。絹さやはサッとゆで、せん切りにする。
[2]鍋に[1]のかぼちゃ、ひき肉、水、「丸鶏がらスープ」、「こんぶだし」を入れ、強火にかける。
アクが浮いてきたら取り、Aを加え、落としぶたをして弱火にする。
[3]竹串がスッと通るくらいにかぼちゃがやわらかくなったら、火を止める。落としぶたを取り、5分程度そのままにして冷ます。
再び火にかけて煮立ったら火を止め、冷ます。
[4]最後に再度、火にかけて全体が煮立ったら火を止める。
[5]器に盛り、[1]の絹さやをのせ、だしをかける。
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Recipe3 かぼちゃの皮のかき揚げ [材料] 
かぼちゃ(皮の部分):270g、
薄力粉:カップ3/4、
片栗粉:大さじ3、
水:カップ3/4、
「こぶうま」:大さじ1、
「AJINOMOTO サラダ油」:適量、
(天つゆ)
みりん:カップ1/2、
A 水:カップ2、
A しょうゆ:70ml、
「ほんだし® いりこだし」 8gスティック:1本、
「ほんだし® こんぶだし」:小さじ1、
そうめん:適量
かぼちゃの皮のかき揚げ
[作り方] 
[1]かぼちゃの皮はせん切りにする。
[2]ボウルに[1]のかぼちゃの皮、薄力粉、片栗粉、水、「こぶうま」を入れて全体を混ぜる。
[3]170℃の油に[2]をおたまなどを使ってひと口大にまとめ入れ、きつね色になるまで揚げる。油をよくきっておく。
[4]鍋にみりんを入れて熱し、煮きる。
[5]別の鍋にA、「いりこだし」、「こんぶだし」、[4]のみりんを入れひと煮立ちしたら火を止め、氷水で冷まして天つゆを作る。
[6]そうめんは10分ほど水につけた後、熱湯に入れ、表示時間の半分の時間ゆでる。ザルに上げ、冷水でよくもみ洗いをする。
[7]器に[5]のそうめんを盛り、[3]のかき揚げを添え、天つゆをつけていただく。※乾めんは10分ほど、水につけてふやかすと、表示時間の半分の時間でゆで上がります。
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Recipe4 かぼちゃのスープ [材料] 
かぼちゃ(底の部分)、面取りした残り、ワタ:正味440g、
水:カップ2、
バター:30g、
「味の素KK コンソメ」顆粒タイプ:大さじ1、
「ほんだし® こんぶだし」:小さじ1、
牛乳:カップ1、
生クリーム:適量、
あさつき(小口切り):適量、
むきえび:適量
かぼちゃのスープ
[作り方] 
[1]かぼちゃは皮をむき、種とワタを取り除き、火の通り易い厚さに薄切りにする。ワタは取っておく。えびは背ワタを取り、ゆでておく。
[2][1]のワタは水に浸し、ギュッとしぼり、ワタとしぼり汁に分ける。
[3][2]のしぼり汁に水を合わせて400mlにする。
[4]フライパンにバターを熱し、[1]のかぼちゃ、面取りした残り、[2]のワタを入れ炒める。
[5][3]の水、「コンソメ」、「こんぶだし」を加え落しぶたをして中火にかける。
[6]牛乳を加え、かぼちゃに火が通ったらミキサーにかけ、氷水で冷やす。
[7]器に盛り、生クリーム、あさつき、[1]のえびを添える。
安井先生のエピソード 若林先生のエピソード
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