2004年6月8日

植物ステロールエステル含有マヨネーズの血中コレステロール低下効果を確認
−健康価値マヨネーズの研究開発−


 味の素株式会社(社長:江頭邦雄 本社:東京都中央区)は、植物ステロールエステル(以下、SE)含有マヨネーズが、血中コレステロールを低下させる効果を有することを研究開発において明らかにしました。

 近年、マヨネーズ市場において健康価値マヨネーズが伸長しています。当社では、SE(図1)が血中コレステロール濃度を低下させることに着目し、それを含有するマヨネーズを開発、そのコレステロール低下効果をヒト試験において確認しました。SEは消化管からのコレステロール吸収を抑制することで、血中コレステロール濃度を低下させる事が知られています。また、食用油脂への溶解性が高く風味も良好なことから、マヨネーズ等の油脂を含む食品に応用するのに非常に適しています。

 今回の研究では、日本人成人男性55名を2群に分け、片方は市販の通常マヨネーズを、もう片方はSE含有マヨネーズを、3ヶ月間、毎日15g(大さじ1)ずつ摂取してもらい、以下の結果を得ました。
(1)
市販の通常マヨネーズ摂取群では血中総コレステロールの変化が特に認められなかったのに対し、SE含有マヨネーズ摂取群では摂取1ヶ月目において血中総コレステロールが有意に低下し、そのまま低値で推移しました。
(2)
SE含有マヨネーズ摂取群の血中総コレステロールは、市販の通常マヨネーズ摂取群の血中総コレステロールよりも、摂取期間中は常に有意に低値を示しました。
(3)
SE含有マヨネーズ摂取群のうち、摂取開始時の血中総コレステロールが220mg/dl以上(日本動脈硬化学会ガイドライン:血中総コレステロール値の正常域と境界域を分ける基準)であるコレステロールが高めの方々だけに着目した場合、血中総コレステロールの低下が顕著に見られ、SE含有マヨネーズを摂取した事により軽度高コレステロール症域から正常域近くまで低下しました(図2)。

 以上より、SE含有マヨネーズのヒトでの血中コレステロール低下効果が明らかとなりました。本研究に関する詳細な内容は、2004年5月23日に仙台で行われた日本栄養食糧学会で発表しました。 味の素株式会社では、これからもおいしさと健康を追及した商品を開発し、お客様にお届けしていきたいと考えています。