2004年7月30日

’CH−19’の知的財産権譲渡契約を締結
〜新規成分「カプシエイト」の脂肪燃焼作用を利用した
食品開発開始〜

 味の素株式会社(社長:江頭邦雄 本社:東京都中央区)は、2004年6月9日付けで、森永製菓株式会社(社長:森永剛太 本社:東京都港区)と、辛くないトウガラシ‘CH−19甘’(図1)及びカプシエイトに関する知的財産権の譲渡契約を締結しました。

 矢澤進氏(現 京都大学教授)は、1985年頃トウガラシの研究中に辛くないトウガラシを発見し、‘CH−19甘’と命名しました。その後、‘CH−19甘’が脂肪燃焼作用、体温上昇作用等の生理機能を有することを、共同研究者である伏木亨氏(現 京都大学教授)が見出しました。更に渡辺達夫氏(現 静岡県立大学助教授)が研究に参加し、その機能成分が新規成分である事を発見、「カプシエイト」と命名されました。1998年には森永製菓株式会社が研究に加わり、以降同社により‘CH−19甘’に関わる特許・商標・育成者権等の権利化やノウハウ蓄積がなされてきました。

 味の素株式会社は、2003年に事業化判断検討のための覚書を森永製菓株式会社と締結、主に食品としての利用の可能性について検討し、今回の知的財産権譲渡契約に至りました。当社は、本素材が、抗肥満領域の他の数多くの健康関連素材に比較して、ユニーク度が高く、グローバルに展開を期待できる稀少な素材であると考えています。トウガラシという身近な素材であること、機能成分である「カプシエイト」が「脂肪燃焼」という注目すべき生理機能を持つこと、カプサイシンより辛味が極めて弱く、消化器への刺激性が弱いことから摂取しやすいことが特長として挙げられます。
 2004年には、‘CH−19甘’を摂取した際の体重減少について、ヒトでの試験結果が学会で発表されています。(図2)

 今後、味の素株式会社は、矢澤教授、伏木教授の助言を得ながら、本素材の有用性研究に関する取り組みを継続していきます。将来的には、素材の持つユニーク度を生かせる地域に対し、本素材を使用した製品を開発し、グローバルにお客様にお届けしたいと考えています。

戻る