|
|||
味の素株式会社(社長:山口範雄 本社:東京都中央区)は、うま味調味料「味の素®」や核酸などを生産するタイの基幹工場(カンペンペット工場、所在地:タイ国カンペンペット県)において、もみ殻を燃料とするバイオマスボイラーを導入し、既存の重油ボイラーからクリーンエネルギーへの燃料転換を図ります。2009年3月26日(木)に現地で竣工式を行い、その後本格稼動します。 当社グループの2007年度のCO2排出量は236万トンで、全体の77%を海外工場からの排出量が占めています。特に事業成長が見込まれる東南アジアにおけるCO2排出量の増加抑制は当社グループにとって重要な課題です。今回のバイオマスボイラー導入により、当社グループが1年間に排出するCO2量の5%に相当する約10万トンを削減します。 バイオマスボイラーにより、「味の素」や核酸を生産する際、その原料の発酵工程で使用する蒸気を発生させます。今回導入した設備はバイオマスボイラー4機を備えカンペンペット工場の需要に十分な量の蒸気を供給します。 もみ殻を燃料に採用した理由は、工場があるカンペンペット地域が世界6番目の米生産国・タイの穀倉地帯で、大量のもみ殻が利用されずに余っていることから、現地で自給でき且つ安定供給可能と判断したためです。もみ殻は工場周辺の農家から購入します。 なお、当社グループでは、2008年12月26日に本件を CDM※2プロジェクトとして日本政府に申請し、2009年3月5日に承認を得ました。同時並行でタイ政府にも申請しており、その承認後、上部機関である国際連合の理事会に申請します。 今後も、味の素グループでは、工場の立地や製造品目など様々な条件を考慮しながら、環境に配慮した設備の設計および導入に努めます。植物資源の豊富なブラジルやベトナムにおいては、今回のタイのケースを参考に、現地に適したバイオマス燃料への転換を検討していきます。 ※1)バイオマス燃料: 再生可能な植物由来のエネルギー資源。バイオマス燃料は、植物の成長過程でCO2を吸収するため、燃やしてもCO2排出量をゼロ(カーボンニュートラル)とみなせる。 ※2)CDM(クリーン開発メカニズム): 京都議定書に規定されているメカニズムのひとつ。先進国が途上国において温室効果ガス削減プロジェクトを行った場合、その削減分を自国の削減分としてカウントできる制度。
|
|||
閉じる |