2009年3月25日
タイの基幹工場にバイオマス(もみ殻)燃料※1ボイラーを導入
〜海外主要工場のCO排出量削減を推進〜
  味の素株式会社(社長:山口範雄 本社:東京都中央区)は、うま味調味料「味の素®」や核酸などを生産するタイの基幹工場(カンペンペット工場、所在地:タイ国カンペンペット県)において、もみ殻を燃料とするバイオマスボイラーを導入し、既存の重油ボイラーからクリーンエネルギーへの燃料転換を図ります。2009年3月26日(木)に現地で竣工式を行い、その後本格稼動します。

 当社グループの2007年度のCO排出量は236万トンで、全体の77%を海外工場からの排出量が占めています。特に事業成長が見込まれる東南アジアにおけるCO排出量の増加抑制は当社グループにとって重要な課題です。今回のバイオマスボイラー導入により、当社グループが1年間に排出するCO量の5%に相当する約10万トンを削減します。

  バイオマスボイラーにより、「味の素」や核酸を生産する際、その原料の発酵工程で使用する蒸気を発生させます。今回導入した設備はバイオマスボイラー4機を備えカンペンペット工場の需要に十分な量の蒸気を供給します。
 もみ殻を燃料に採用した理由は、工場があるカンペンペット地域が世界6番目の米生産国・タイの穀倉地帯で、大量のもみ殻が利用されずに余っていることから、現地で自給でき且つ安定供給可能と判断したためです。もみ殻は工場周辺の農家から購入します。

 なお、当社グループでは、2008年12月26日に本件を
CDM※2プロジェクトとして日本政府に申請し、2009年3月5日に承認を得ました。同時並行でタイ政府にも申請しており、その承認後、上部機関である国際連合の理事会に申請します。

 今後も、味の素グループでは、工場の立地や製造品目など様々な条件を考慮しながら、環境に配慮した設備の設計および導入に努めます。植物資源の豊富なブラジルやベトナムにおいては、今回のタイのケースを参考に、現地に適したバイオマス燃料への転換を検討していきます。

※1)バイオマス燃料:
再生可能な植物由来のエネルギー資源。バイオマス燃料は、植物の成長過程でCOを吸収するため、燃やしてもCO排出量をゼロ(カーボンニュートラル)とみなせる。

※2)CDM(クリーン開発メカニズム):
京都議定書に規定されているメカニズムのひとつ。先進国が途上国において温室効果ガス削減プロジェクトを行った場合、その削減分を自国の削減分としてカウントできる制度。
【参考】 ●タイ味の素社 カンペンペット工場 バイオマスボイラー設備の概要 (1)ボ イ ラ ー:4機          (1機当たりの蒸気供給能力は14.5トン−蒸気/時間、総計58トン−蒸気/時間) (2)燃    料:もみ殻 (3)建 屋 面 積:21,000m2タイ味の素社の概要 AJINOMOTO CO., (THAILAND) LTD. (1)所 在 地 :タイ国バンコク都 (2)会 社 設 立:1960年 (3)代 表 者 :社長 国本 裕(くにもと ゆたか) (4)従 業 員 :約1,050名  (5)事 業 内 容:調味料、食品、飼料用アミノ酸等の製造・販売 ●タイ味の素社 カンペンペット工場(第1工場、第2工場)の概要 <第1工場> (1)所 在 地 :タイ国カンペンペット県 (2)工 場 長 :Mr. Suradech Thiaphairat (3)生 産 開 始:1998年4月 (4)従 業 員 数:147名 (5)主要生産品 :「味の素」 <第2工場> (1)所 在 地 :タイ国カンペンペット県 (2)工 場 長 :阿部 重光(あべ しげみつ) (3)生 産 開 始:2003年11月 (4)従 業 員 数:155名 (5)主要生産品 :核酸系調味料(リボヌクレオタイドナトリウム:イノシン酸ナトリウムとグアニル酸           ナトリウムの混合物) ※敷地面積は、第1工場・第2工場を合わせて約180ha.

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