2012年8月6日
〜日本とベトナムの官民連携による共同プロジェクト〜
ベトナム・ハノイ医科大学における
栄養士育成のための指導者養成寄付講座開設に関する覚書を締結
 味の素株式会社(社長:伊藤雅俊 本社:東京都中央区)は、2012年8月3日(2012年8月7日・日付修正)、ベトナムでの栄養士養成に向けた取り組みの一環として、ハノイ医科大学※1と国立栄養研究所※2の2者と、ハノイ医科大学における栄養士育成のための指導者養成寄付講座開設に関する覚書を締結しました。

 これまでベトナムには、栄養士を育成する栄養学部がなく、栄養士という資格が確立されていませんでした。※3 今回の覚書では、まず当社の寄付金によって指導者養成寄付講座を開設し、その後ハノイ医科大学に栄養学部を設置することを目的とします。これにより、病院での栄養管理や学校給食などの、栄養に関わる専門の栄養士を育成する教育体系が整い、栄養士制度が確立されることになります。
 8月3日(2012年8月7日・日付修正)、ハノイ医科大学にて行われた調印式には、ベトナム保健省、教育省、自治省などから、約70名が参加しました。(右写真参照)
 調印式では、ベトナム保健省科学教育局のカーン局長より「今回の講座開設が社会に与える役割について、大いに期待している」とのスピーチがありました。
 

 指導者養成寄付講座は、2012年10月1日に開設される予定で、初年度は約10名の指導者の養成を目指します。講座開設後は当社から数名の講師を派遣する予定です。2013年10月からは栄養士の育成を目的とする4年制の栄養学部の開設を計画しており、年40名程度の栄養士輩出を目指します。

 当社では、今回の指導者養成寄付講座開設に際し、2010年より2年間にわたって、神奈川県立保健福祉大学 中村丁次学長(日本栄養士会会長)並びに、十文字学園女子大学 山本茂教授の協力のもと、ベトナムの国立栄養研究所、日本栄養士会と共に取り組んできました。今後も、日本の栄養士制度の仕組みや知見を生かして、ベトナムでの栄養改善活動に貢献し、将来的に同様の取り組みをベトナムの近隣各国にも波及させることを目指しています。
 当社は、今後も「おいしさ、そして、いのちへ。」をスローガンに、人々の健康な生活に貢献していきます。

※1: ハノイ医科大学:ベトナムの国立医師養成大学。ベトナム保健省(Ministry of Health)、教育省(Ministry of Education and Training)の管轄下にあり、医師の養成のみならず多くの政府機関の要職を担う人材を輩出している。
http://www.hmu.edu.vn/news/default.asp
※2: 国立栄養研究所:ベトナム保健省(Ministry of Health)の管轄下にあり、栄養学、食品科学、食品の安全性と衛生管理、ベトナムの国全体のための臨床栄養の分野における研究などをリードする機関である。
http://viendinhduong.vn/home/en/112/Default.aspx
※3: ベトナムには栄養士が存在せず、正しい栄養管理を行う指導者がいないため、国民の2割が栄養不足(低体重)に陥っている現状(2009年)がある。

【今後の予定】
  2012年10月  栄養士育成のための指導者養成寄付講座開設(養成する指導者の目標人数:約10名)
  2013年10月  ハノイ医科大学に栄養学部開設(4年制)(養成する栄養士の目標人数:約40名/年)
  2017年  9月  ベトナム初の栄養士誕生

<参考資料>
当社のベトナムでの事業について
ベトナム味の素社は、1991年の設立以来21年にわたり、調味料・食品事業を展開。「味の素®」、風味調味料「Aji-ngon®」などを現地で製造・販売しています。

栄養改善に対する取り組みについて
当社では、東南アジアや南米、アフリカの国々で子供の栄養改善に対する下記のような取り組みを行っています。(表1参照)
さらに、1999年から、創業90周年を機に「AIN(Ajinomoto International Cooperation Network for Nutrition and Health)プログラム」という「食・栄養」分野の国際協力支援活動を開始しており、国内外のNGO/NPOなどからプロジェクトを公募し、有識者による審査、味の素グループ従業員による視察を経て決定し、開始後は各国のグループ会社とともに栄養教育などを側面から支援しています。(表2参照)

(表1)子供の栄養改善に対する取り組み
 

(表2)AINプログラム 2012年度支援実績 (9ヶ国13プロジェクト)
 

報道関係の方向けお問い合わせ先:pr_info@ajinomoto.com
 
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