2012年11月15日
安定供給と事業基盤強化に向け
バイオ医薬品製造用培地事業の合弁会社を設立
アジア最大の消費地である韓国の仁川経済自由区域において
 味の素株式会社(社長:伊藤雅俊 本社:東京都中央区)は、ジェネクシン社(Genexine Co., Ltd社長:
ソン ヨンチョル、本社:韓国 京幾道 城南市)との合弁により、味の素ジェネクシン社(Ajinomoto Genexine Co., Ltd)を設立することに合意し、本日合弁事業契約書に署名しました。新会社は、2012年11月中に設立される見込みであり、2014年上期よりバイオ医薬品※1の生産に用いられる動物細胞用培地(以下、培地)の現地生産・販売を開始する予定です。

 当社は、高純度アミノ酸の生産技術を活用し、1987年より動物細胞の培養に用いる無血清培地※2の販売を開始、生物学の研究やバイオ医薬品の生産など幅広く使用されています。近年の世界的なバイオ医薬品市場の拡大に合わせて、培地の需要も急速に拡大しています。当社では、培地の市場拡大に対応するべく、既存の培地供給体制に加え、新たにアジア最大の培地の消費地である韓国に生産・販売拠点を持つことで、市場ニーズに応じた培地の安定供給体制の確立と培地事業基盤の強化を行い、さらにアジアを中心とした新規需要の獲得を目指します。

 今回の合弁事業のパートナーであるジェネクシン社は、バイオ医薬品の研究・開発を行っているバイオ
ベンチャー企業であり、当社は2011年3月より、バイオ医薬品の生産に用いられる動物細胞用培地の共同開発を行ってきました。新会社においてはジェネクシン社のバイオ医薬品の開発ネットワークと、味の素グループの長年にわたるアミノ酸研究で育んだ技術を活かし、市場ニーズに応じた培地の供給体制の確立を目指します。

 味の素グループは、アミノ酸のトップメーカーとして、高品質のアミノ酸の独創的な製法・利用法の開発を通じ、培地事業をはじめとしたアミノ酸事業領域の拡大をすすめ、21世紀の人類社会の課題である健康な生活の実現に貢献していきます。

  <新会社の概要>
  (1) 社   名 味の素ジェネクシン社(Ajinomoto Genexine Co., Ltd )
  (2) 資 本 金 設立時357億ウォン(約25億円)
  (3) 出資比率
味の素株式会社      75%
ジェネクシン社      25%
  (4) 所 在 地 韓国仁川経済自由区域(Inchon Free Economic Zone)
  (5) 設 立 日 2012年11月(予定)
  (6) 代 表 者 代表取締役社長 仁志 聖彦(にし きよひこ)
  (7) 従業員数 約20名(予定)
  (8) 事業内容 動物細胞用培地の生産・販売。

参考資料
 

●用語説明
※1 バイオ医薬品
    遺伝子組み換え技術で、人体の免疫反応などに作用する医療用医薬品の総称。
異物を排除する免疫機能を応用した抗体医薬品が代表的で、がんやリウマチの治療薬などがある。
 
※2 無血清培地
    細胞の培養には、アミノ酸やビタミン、糖分などの栄養素の他に、微量なミネラル類など数十種類にわたる成分が必要となる。培地は、生体内に近い状態を作り出すために、血清と呼ばれる血液の成分の一つが用いられていたが、昨今のバイオ医薬品の生産には、安全性や安定生産の目的で、血清を使用しない無血清培地が主に使用されている。
当社は1987年より国内初の無血清培地「ASF培地」(Ajinomoto Serum Free 培地シリーズ)を発売。動物細胞用無血清培地「ASF培地」シリーズは、動物由来成分を一切含まない「ASF培地104N」などがあり、高い生産性を示し、医薬品製造用の培地や研究用試薬として使用されている。


●バイオ医薬品の製造工程と培地の機能
 
 

報道関係の方向けお問い合わせ先:pr_info@ajinomoto.com
 
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