2012年11月29日
うま味調味料製造時に使用した活性炭を原料とする
「土壌再生炭」新発売
  味の素株式会社(社長:伊藤雅俊 本社:東京都中央区)は、
うま味調味料製造時に脱色工程で使用され、これまで廃棄物として
処理してきた使用済みの活性炭を原料として、連作障害の軽減と
土質の改善を目的とした土壌改良材「土壌再生炭」を2012年11月から
発売します。

*連作障害:作物は、他の植物の生育を抑えるような物質(アレロパシー物質)を
   根から分泌しています。連続して同じ種類の作物を栽培すると、アレロパシー物質が
   土壌に蓄積し、自らも生育できなくなります。この現象は連作障害の一つの要因と
   考えられています。


 農業では、古くから土質を改善する目的で木炭や燻炭※1等が使用されてきました。活性炭は高温で賦活化し多孔化することにより、木炭よりも土中の有害物資の吸着に優れたものとなります。また、この穴は微生物のすみかとなるため、微生物の活動を活発化します。今回発売する「土壌再生炭」は、うま味調味料製造時に使用した活性炭を原料とし、連作障害の軽減や土質の改善が期待されています。

 味の素グループでは、世界一のうま味調味料やアミノ酸メーカーとして、21世紀の人類社会の課題である「地球持続性」「食資源の確保」「健康な生活」の解決に貢献していきます。そのため、生産過程で生ずる廃棄物の発生抑制に取り組むとともに、発生したものについては徹底的に有効利用し、再資源化することに取り組んでいます。今回、これまで廃棄物として処理してきた使用済みの活性炭を土壌改良材として利用することで、地球持続性を考慮した当社の「味の素グループ・ゼロエミッション計画」における廃棄物の再資源化率99%以上という、2011−2013年度の目標達成に寄与していきます。

<「土壌再生炭」の実験例>
 アスパラガス(品種:ウエルカム)の栽培時に元肥※2と一緒に「土壌再生炭」(400L/10a)を使用し、50日後の生育の様子。立茎が早まり、収穫量が増加しました。
 
 


1.製品概要:
  (1) 商 品 名 :  味の素KK「土壌再生炭」
 
  (2) 商品特長 : 
うま味調味料精製時に使用した活性炭を原料としています。
粉末状で多孔質なため、土壌中の自家中毒物質(アレロパシー物質)を効率よく吸着し、連作障害を軽減する効果があります。
土壌の通気性や保水性を改善し、土壌微生物が繁殖しやすい環境を作ります。
特に連作障害が生じやすいとされるアスパラガスやイモ類、モモ、トマト等の作物に効果的です。
 
  (3) 使用方法 :  10a(1反)あたり本品16袋(約400L)を目安に、元肥と一緒にあるいは追肥※3として使用。
 
  (4) 容量/価格 :  25L(封入時)/オープン価格

2.発 売 日 :2012年11月

3.発売地域:全国(国内)
 
<商品購入に関するお問い合わせ先>
味の素ヘルシーサプライ株式会社 03−3563−7580


●味の素ヘルシーサプライ株式会社 概要
 


用語説明
 

 ※1 燻炭:
         もみ殻を蒸し焼きにして炭状にしたもの。

 ※2 元肥:
         植物を植え付ける前の土に、前もって与えておく肥料。

 ※3 追肥:
         植物の生育に応じて養分を追加で与えること。

報道関係の方向けお問い合わせ先:pr_info@ajinomoto.com
 
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