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2014年4月14日
味の素(株)、米国で「アミノインデックス技術」の
グローバル展開を目指して共同研究を開始
〜糖尿病、心血管疾患など生活習慣病の発症リスクの予測に向けて〜

 味の素株式会社(社長:伊藤雅俊 本社:東京都中央区)は、マサチューセッツ総合病院(米国ボストン)のRobert E. Gerszten博士を中心としたグループと、米国の国家的疫学調査であるフラミンガム研究※1を活用した共同研究を2014年4月に開始します。当社の「アミノインデックス技術」が、異なる国、人種でも、糖尿病、心血管疾患などの生活習慣病の発症リスクを予測できる可能性を研究します。

 「アミノインデックス技術」は、血液中のアミノ酸濃度のバランスの変動を統計学的に解析・指標化し、健康状態や疾病のリスクを明らかにするものです。当社は、日本人の人間ドック受診者を対象とした研究から、血液中のアミノ酸濃度バランスの変動が、内臓脂肪蓄積と強く関連することを発見し、生活習慣病に関連したリスクを評価できる技術を確立しました※2
 一方、Robert E. Gerszten博士らは、フラミンガム研究と呼ばれる、米国ボストン郊外のフラミンガムで実施されているコホート研究※3から、血液中のアミノ酸濃度バランスが糖尿病や心血管疾患発症リスクと強く関連しており、血液中のアミノ酸濃度バランスを基にして10年程度先に糖尿病や心血管疾患を発症するリスクを予測できることを論文発表しました※4
 近年増加している糖尿病や心血管疾患の発症は、内臓脂肪の蓄積と相関関係があることが広く知られていますが、このたび、当社とマサチューセッツ総合病院は共同で、「アミノインデックス技術」が、異なる国、人種でも、糖尿病、心血管疾患などの生活習慣病の発症リスクを予測できる可能性を研究することになりました。

血中のアミノ酸濃度を分析している様子
 当社は、この「アミノインデックス技術」を活用し、2011年4月より6種類のがんのリスクスクリーニング検査サービス「アミノインデックス® がんリスクスクリーニング(AICS)」を事業化しています。
 これからも、100年にわたるアミノ酸研究の知見を活かし、「アミノインデックス技術」が、人々の健康な生活に貢献し、栄養サポート、運動、美容などにも領域を広げ、生活習慣病のリスク低減や医療費削減の一助となることを目指します。


参考資料

※1: フラミンガム研究
1948年より米国のボストン郊外の町、フラミンガムで約5,000人を対象に始まった虚血性心疾患の追跡疫学調査で、世界的に非常に権威ある研究です。コレステロール、高血圧、喫煙のほか、肥満、糖尿病が虚血性心疾患等の生活習慣病に関与することを明らかにした実績があり、現在もコホート研究は継続中です。

※2: 当社の論文
1.Yamakado, et al. (2012) Clinical Obesity 2 (1-2), 29-40.

※3: コホート研究
疫学的研究法の一つで、ある集団を将来にわたって追跡調査し、後から発生する疾病を確認する研究手法です。例えば血中アミノ酸濃度バランスの解析結果から疾患リスクが高いと判別された被験者群と、疾患リスクが低いと判別された被験者群というように分類し、将来の疾患発生率の比較を行い、血中アミノ酸濃度バランスとの間にある因果関係を調べるような研究を指します。

※4: マサチューセッツ総合病院のRobert E. Gerszten博士らの論文
1.Wang, et al. (2011) Nature Medicine 17(4), 448-53.
2.Magnusson, et al. (2013) European Heart Journal 34(26), 1982-9. 等


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