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2014年8月19日
〜帆立貝や本醸造醤油などに含まれるコク味物質〜
味の素(株)が初めて工業化に成功した
「グルタミルバリルグリシン」が食品添加物認可を取得

 味の素株式会社(社長:伊藤雅俊 本社:東京都中央区)は、長年にわたる味覚とアミノ酸の研究により工業化に成功したコク味物質「グルタミルバリルグリシン」について、2014年8月8日に厚生労働省の食品添加物認可を取得しました。「グルタミルバリルグリシン」は、自然界に存在するコク味物質です。基本味(甘味・苦味・酸味・塩味・うま味)を増強するほか、味の厚みと広がりを増し、口当たりの良さを改善することで、当社グループ各社の消費者向け製品の価値向上に貢献します。

 「グルタミルバリルグリシン」は、アミノ酸のグルタミン酸、バリン、グリシンが結合したトリペプチド※1で、帆立貝や本醸造醤油、魚醤など自然界に存在し、食品のコクを増強します。コクとは、食品を摂取したときに感じる、基本味の増強と、厚みや広がりが付与された好ましい口腔感覚・現象で、コク味とは、それ自体は味を持っていませんが、食品に添加することでコクを増強する機能です。コク味物質である「グルタミルバリルグリシン」は、エキスや乳、油脂等の天然素材の味や風味を増強・改善する効果があるため、当社グループ各社の消費者向け製品の品質向上やコストダウンに貢献することが期待されています。

 「グルタミルバリルグリシン」は、米国では2010年2月にFEMA−GRAS※2の認証を取得しました。2012年6月にはJECFA※3より「No safety concern(安全性に問題なし)」の評価を取得しているほか、欧州でも2014年4月にEFSA※4から「フレーバーとして使用する場合、安全性に問題なし」との結論を得ています。

 味の素グループは、継続的な味覚とアミノ酸の研究を通じて、よりおいしく、高品質な製品の提供を行い、豊かな食生活に貢献する、確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニーを目指します。


参考資料

※1 トリペプチド
決まった順番で3つのアミノ酸がつながってできた分子の系統群。

※2 FEMA−GRAS
米国フレーバー・エキス工業会(Flavor and Extract Manufacturers Association)が審査する「一般に安全と認められる(Generally Recognized As Safe)」物質

※3 JECFA(FAO/WHO Joint Expert Committee on Food Additives
FAO(国際連合食糧農業機関)、WHO(世界保健機関)による食品添加物の合同専門委員会

※4 EFSA(欧州食品安全機関)
欧州連合域内の食品の安全性に影響するあらゆることについて、専門家らによるリスク評価を行いその安全性などに関する科学的な情報の提供を行う機関




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