2016年2月8日
味の素株式会社(社長:西井孝明、本社:東京都中央区)は、日本理化学薬品株式会社(社長:磨田大輔、本社:東京都中央区、以下「日本理化学薬品社」)との合弁により、システイン塩酸塩の生産会社設立に合意し、2016年2月2日、合弁事業契約を締結しました。合弁会社は2017年度下期に稼働を開始する予定です。
システインは、医薬品、食品、フレーバー用の原料として広く使用されているアミノ酸ですが、市場では、主に動物由来の原料による抽出品が使用されています。抽出品は、そのほとんどが中国メーカーにより生産されていますが、近年の環境規制強化、為替変動、人件費高騰等の要因により供給が不安定になるリスクが高まっています。
近年、食品、フレーバー用を中心に非動物由来のシステインの需要が高まっていますが、世界的にみて供給量は十分とは言えません。当社は、システインの原料となるシスチンの発酵法での生産を2013年に開始しました。そして、発酵法によるシスチンを原料としたシステイン誘導体※1の生産をグループ会社の日本プロテイン株式会社にて行い、市場のニーズに応えてきましたが、拡大する需要に対し、同社の供給能力は既に上限に達しており、生産拡大が急務となっています。一方、日本理化学薬品社は、システイン生産のパイオニアであり、1960年代より医薬原料用を中心としたシステイン誘導体を生産しています。今回、当社と日本理化学薬品社で合弁会社を設立し、当社の発酵技術と日本理化学薬品社で長年培われたシステイン生産技術を活かすことで、非動物由来のシステイン塩酸塩※2の供給能力を拡大し、市場のニーズに対応します。
※1 構造や性質を大幅に変えない程度の改変がなされたシステインの化合物。
※2 システインは酸化しやすく安定性を増すために塩酸塩にする。 味の素グループは、アミノ酸のリーディングカンパニーとして、その基幹技術である発酵技術を活かし、全てのアミノ酸の発酵品への切り替えを進めるとともに、今後とも高品質のアミノ酸を提供していきます。
<新会社の概要>
参考
■日本理化学薬品株式会社の概要
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