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2016年4月13日
味の素(株)、電子材料事業強化に向け、
米国新拠点での業務を開始
~味の素ファインテクノUSA社~

 味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、電子材料の既存製品のプロモーションおよび新製品・新事業創出活動の強化、電子材料に関わる最先端情報の収集を目的に、米国カリフォルニア州のシリコンバレーに味の素ファインテクノUSA社を設立し、2016年4月1日より本格的に業務を開始しました。

ABF(層間絶縁用フィルム)

味の素ファインテクノUSA社事務所外観
 当社の電子材料事業は、アミノ酸の一種であるグルタミン酸ナトリウム(「味の素®」)の利用研究のひとつとして、1960年代にエポキシ樹脂の硬化剤を開発したことから始まりました。その後、長年蓄積した樹脂配合技術により高機能絶縁材料の開発を進め、1998年には、従来、困難といわれていた液状樹脂のフィルム化に世界で初めて成功し、同年ABF(Ajinomoto Build-Up Film)を発売しました。以来、機能性および生産効率の高さから、半導体パッケージ用の絶縁材料として、幅広く使われています。

 現在、電子材料事業の主力製品であるABFは、主としてコンピュータ用半導体基板の層間絶縁材料として使われており、CPU(中央演算処理装置)用途を中心に、この分野でトップシェアを有しています。当社は、ABFのコンピュータ分野でのトップシェアの維持と、スマートフォン等の新規分野でのシェア拡大を目指しています。また、健康・医療・エネルギーなどの社会インフラやスマート家電の分野へと、技術革新の速い電子情報関連産業に対応すべく、新製品・新事業創出活動の強化を進めています。今後は、世界の電子情報関連市場をリードするシリコンバレーに構えた拠点を軸に、顧客とのコミュニケーションを一層強化し、顧客と一体になった開発型ビジネススタイルの深化を進めていきます。

 味の素グループは、2014-2016中期経営計画に掲げた「FIT&GROW with Specialty」の基本方針に基づき、電子材料をはじめとする化成品事業分野においてもスペシャリティ化を進めています。また、お客様と一体となった開発型ビジネススタイルを深化させ、味の素グループの技術で、未来のより良い生活に貢献します。


参考

<味の素ファインテクノUSA社概要>
(1) 社  名 :  味の素ファインテクノUSA社(英名:Ajinomoto Fine-Techno USA Corporation)
(2) 所在地 :  米国カリフォルニア州クパチーノ市
(3) 設立時期 :  2015年1月
(4) 代表者 :  取締役社長 櫻井 孝男(さくらい たかお)
(5) 事業内容 :  米国電子材料事業の情報収集、拡販活動、機能材料製品と原材料の輸出入
(6) 資本金 :  100千米ドル
(7) 株主構成 :  味の素ファインテクノ(株)100%

<味の素ファインテクノ社概要>
(1) 社  名 :  味の素ファインテクノ株式会社
(2) 所在地 :  神奈川県川崎市
(3) 設立時期 :  1942年9月
(4) 代表者 :  取締役社長 櫻井 孝男(さくらい たかお)
(5) 事業内容 :  電子材料、機能化学品、活性炭の製造・販売
(6) 資本金 :  315百万円
(7) 株主構成 :  味の素(株)100%

<ABFについて>
(1)製品:
絶縁材料を2枚の保護シートではさんだフィルム。基板作成は、回路の書き込み(銅をめっき)と絶縁材料付加を繰り返す。これをビルドアップ(Build-up)工法という。
(2)製造方法:
原料樹脂や溶剤、粉体などを混合してまずワニスと呼ばれる液状混合物を製造、それを薄く延ばすとともに溶剤を除去しフィルム化する。
(3)用途:
半導体チップを乗せる基板には、複雑な配線を組み込むために何層にもわたって回路(銅)が書き込まれており、その層間に電流が流れないようにするための絶縁材料として使われる。
(4)当社の技術的優位性:
半導体の処理速度を上げるためにはできるだけ細かい回路を書き込む(集積度を上げる)必要があり、そのために回路の線幅をできるだけ細くすることが求められる。ABFは絶縁性が高く、幅をより狭くすることが可能。
熱による体積変化が小さいため温度変化に強い。
従来は液状であったものをフィルム化できたため、基板の両側を一度に加工できる、溶剤を使用せずに加工ができる、など作業性を大幅に改善。またフィルム化により平滑性が増し、より微細な配線が可能。

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