味の素グループの歩み

1960年代の電話事情 ~昔の社内報から~

昔、電話の交換手という仕事があったことをご存じですか?今は一人一台の電話が当たり前ですが、昔は携帯電話が無く、少ない固定電話も直通電話は当たり前ではありませんでした。

昔、電話の交換手という仕事があったことをご存じですか?今は一人一台の電話が当たり前ですが、昔は携帯電話が無く、少ない固定電話も直通電話は当たり前ではありませんでした。電話を掛けると一旦電話交換手に繋がり、「○○さんおねがいします」または「○○番おねがいします」と依頼し、交換手が回線を手動で繋げる仕組みです。今回は、そんな1960年代、電話について書かれた社内報の記事のお話です。

10年間で従業員数は約2.4倍、売上高は約2.6倍に増加しました。

戦後1950年代~1960年代は、日本の高度成長期にあたり、当社においても事業を急速に拡大した時期でした。これに伴い従業員数が急速に増加(右グラフ参照)、取引先の数も増加したこともあり、本店(当時の本社)で電話事情が悪化しました。1960(昭和35)年8月の社内報では、「電話の現状」というタイトルの記事が掲載されています。

記事の内容は、電話回線が十分に足りず、内線電話も3人に1本という窮状、電話回線の増強、交換中継台の増設、交換手の増員などの対策をとるものの充分ではないことの共有と、これらを補うための以下に示す電話マナー向上の協力依頼です。

~ 皆さんへお願い ― ちょっとした知識 ~

●9時と1時は電話のラッシュ
特に週末と週初のこみ方は大変です。不急不用の電話はオコトワリ。この時間を避けましょう。

●「早速ですが・・・」のひとことを
用件を簡潔にいうことは電話を利用する者のエチケット。「早速ですが」は葉書の「前略」に相当する便利な言葉です。

●都内は自分で ―ぶしょう者オコトワリ― 
自動通話地域は必ず自分でかけましょう。(中略)現在設備の関係で、普通の分担量の4割もオーバーして受け持っている交換手の負担を、少しでも軽くしてやってください。
(当時、都内など一部の地域は交換台を経ずに直通電話が使用できるようになっていました)

●交換手への伝言 ―それは非常識というもの―
よく相手方に対する伝言を交換手にたのむ事がありますが、相手方からの伝言事項と共に出来るだけ遠慮して下さい。交換手がそれに束縛されるだけ、他の利用者に迷惑をかけます。

社内外問わず変化が激しい今日、インフラも仕事の仕方も変わります。この記事からは、相手目線での思いやり、個人の生産性向上だけでなく、組織全体の生産性向上が大切であることが伺えます。