味の素グループ統合報告書2017
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経済価値(財務)の側面 現在、味の素グループは、食品事業と「ライフサポート」「ヘルスケア」分野のアミノサイエンス事業を2本柱として事業を展開しています。そして、この分野に私たちのコアコンピタンスである独自の技術、すなわち、アミノ酸を起点とした独自の先端バイオ・ファイン 技術とそこから生まれたおいしさ設計技術、および徹底した現地・顧客適合のマーケティングを集中することで、グローバル食品企業グループとして、持続的な成長を続けることを中長期の経営の基本方針としています。 私たちは、経営戦略上、この持続的成長のために必要な戦略投資と株主還元を両立するのに必要なキャッシュバランスを考慮して、事業利益*1ベースで1,300億円以上の事業規模が必要であると考えています。そしてこれは、私たちがベンチマークするグローバル食品企業グループ*2のトップ10クラスの水準であるということです。 同様に私たちは、彼らをベンチマークした結果、「人と地球の未来の進歩に貢献」「世界一であるコアな技術・事業領域」「世界レベルの多様な人財力」「グローバル企業レベルの事業と利益の規模」「利益を生み出す世界水準の効率性」を中期的に目指すところとし、できる限り数値目標化しつつ、現在も引き続きこれらの要素の実現に向けて前進しているところです。確かな足跡、新たなる一歩社長メッセージ12*1. IFRS会計基準導入時に、味の素グループが経営管理のため独自に定義した利益指標(売上高−売上原価−販売費・研究開発費及び 一般管理費+持分法による損益)*2. 1次加工品:製粉・搾油・畜産加工(原料:穀物/畜産など)、ビールなどのアルコール・飲料企業、商社は除外。私たちの目指すところ  化学者・池田菊苗博士が第5の基本味「うま味」を発見し、事業者・二代鈴木三郎助による創業以来108年、味の素グループは「うま味を利用して栄養のある食を広め国民を 健康にする」という二人の強い思いを世界に拡げてきました。そして、うま味物質・グルタミン酸を起点として研究開発に取り組み、独自の「先端バイオ・ファイン技術」、「世界一の調味料技術」を追求し、これらを核に、食やヘルスケア、ライフサポートといった幅広い分野で事業の多角化を実現するユニークな食品企業グループに発展してきました。 その経験を通じ、私たちは“食とアミノサイエンス”事業が、21世紀の人類社会の課題のうち「健康なこころとからだ」、「食資源」、「地球持続性」に大きく貢献できることを実感しています。そしてこの分野における私たちへの期待値がさらに大きいことをステークホルダーの皆様との対話を通じて強く感じています。 私たちは今、この創業以来一貫した事業を通じての社会課題の解決による経済価値の 創造をASV(Ajinomoto Group Shared Value)と称し、この進化こそがグローバル企業にふさわしい持続的成長につながると確信しており、今後もASVの進化を中核とした2017-2019(for 2020)中期経営計画(以下、17-19中計)にまい進してまいります。「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」〜2020年度、グローバル食品企業 トップ10クラス入りを目指す理由〜

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