味の素グループ統合報告書2017
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創業の志である「おいしく食べて健康づくり」から事業領域を拡大した結果が現在の味の素グループの姿です。 このように、人類社会の課題解決に貢献することで新たな価値を創造し、企業としても経済価値を向上して成長していくという味の素グループの事業活動そのものをASVと称して展開していますが、これこそが創業当初から取り組んできた味の素グループの根幹となるコンセプトなのです。味の素グループは、積み重ねてきた知見や強みを活かし、どのように成長していくのかという道筋をASVというコンセプトでまとめ、しっかりと説明されています。この数年の動きとして、コーポレートガバナンス・コードや日本版スチュワードシップコード、 伊藤レポートが発表され、企業経営に大きなインパクト味の素株式会社 代表取締役 取締役社長 最高経営責任者西井 孝明 味の素グループは、2017-2019(for 2020)中期経営計画(以下、17-19中計)の中で、ASVを通じたサステナブルな成長の実現を目指しています。ここでは、青山学院大学の教授であり、「持続可能性を巡る課題を考慮した投資に関する検討会」(環境省)の座長でもある北川哲雄氏と社長の西井孝明の対談を通じ、味の素グループのASVと企業価値創造のつながりについて掘り下げていきます。青山学院大学 国際マネジメント研究科 教授北川 哲雄氏特集 対談 味の素グループのASVと企業価値創造のつながり味の素グループは、うま味調味料「味の素®」の製品化に始まり、おいしく食べることによって栄養を改善したいという創業者の志を体現しながら成長してきました。栄養改善以外にも、調理工程の短縮による時間の創出ができるほか、家族一緒に食事をとるという共食の喜び、異なる食文化の交流により豊かな生活を創造することができます。このように「うま味」を軸にした事業展開で、食そのものが持つ価値の世界を拡げてきました。これが我々の大きな事業ドメインになっています。 また、うま味物質であるグルタミン酸がアミノ酸の一種ということもあり、アミノ酸の研究を進め、機能・効能を科学的に解明してきました。さらに、高品質なアミノ酸を製造する技術を磨き、これらを応用したのが、ライフサポートやヘルスケアといったアミノサイエンス事業であり、西井北川281味の素グループのASVと企業価値の考え方

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