味の素グループ統合報告書2017
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17-19中計では、統合目標の一つにコーポレートブランド価値という指標を初めて取り入れました。インターブランド社の調査をベースにしていますが、この結果を見ると、日本発の企業で、グローバルマーケットで評価されている会社が非常に少ないというのが分かります。コーポレートブランド価値以外にも、17-19 中計の非財務目標はかなり綿密なプロセスを経て設定された印象を受けます。例えば、G(ガバナンス)の指標として働きがいを設定していますが、多くの企業がこれをS(社会)に組み込む中、味の素グループではこれが経営の根幹に関わる重要マターであり、経営としてしっかりと議論すべき指標であるという強い意思表示を感じます。G(ガバナンス)がS(社会)をプロモートすることが重要で、投資家に良い質問を誘導する非常に練られたものだと思います。働きがいについてはまさにご指摘のポイントがあります。最終的にイノベーティブなものを創造するのは人財です。また、ガバナンスの基盤を強くするためにも重要です。働きがいを押し上げる要素は実に様々ですが、それを突き詰めていくために、2017年10月に国内外のグループ会社を含む正従業員全員を対象とした調査を実施し、全グループでこのテーマの取り組みをスタートします。働きがいを突き詰めると、モチベーションを上げて能動的に働き、それが個人のキャリア形成に連なり、そして究極的には会社の価値向上に貢献することにつながるのです。これは企業の発展をもたらす根源の一つですので、その考えを貫くということは非常に重要だと思います。特集 1対談 味の素グループのASVと企業価値創造のつながり日本の企業ではあまり意識されていませんが、 大変重要なコンセプトです。企業価値には色々な測り方がありますが、投資家にとって、時価総額以外にもコーポレートレピュテ―ションやコーポレートブランド価値はこれからは相当重視すべきものです。業界内での特性を見て価値を冷静に分析し、グローバルマーケットでの認知を高めるために目標化することは重要だと思います。コーポレートブランド価値というのは、長い将来の期待値や社会に深く必要とされているかという観点で評価されます。当然、ESGについても重要な評価基準です。ASVを通じてサステナブルな成長を目指す味の素グループにとっては、まさに最適な評価軸であると思っています。西井北川西井北川西井北川30ASVは、創業当初から 取り組んできた、 味の素グループの 根幹となるコンセプト なのです。

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