味の素グループ統合報告書2017
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取締役会の実効性をさらに高めるために 私は40年以上にわたり外交官として国際的な経験を 積み、取締役会においては、その経験や知見に基づく意見や判断が期待されていると認識しています。当社の取締役会は、議長の配慮により議論しやすい雰囲気があり、また社外取締役に対する事前の説明も充実しているので、私たち社外取締役も積極的に発言することができます。 私は会社経営の経験はありませんが、味の素グループが グローバル食品企業トップ10クラス入りを目指す中、外交官としてのバックグラウンドを踏まえたグローバル視点での提言や意見を通じて、経営を監督するように心掛けています。また、社外取締役による社内情報収集などはこの 数年で随分進みましたが、今後社外取締役の理解力と判断力をより高めていくため、日頃から幅広い部門と忌憚のない意見交換ができるような場を設定するなど、パイプをさらに強めていく取り組みを進めていきたいと思います。多様な人財が活躍する環境を目指して 味の素グループのガバナンスは、グローバルガバナンス ポリシーに基づき、「統率するHQ」と「任される現場」の役割と責任が明確になっている点が優れている一方で、 「統率するHQ」がグローバルに活動していくためのグローバル人財育成におけるダイバーシティには課題が残ります。当社は現在、多様な人財がグローバルで活躍できる環境整備を進めていますが、それによって多様で優秀な人財を 確保し、年齢・人種・性別などを超えたコミュニケーション 能力に磨きをかけていくことが重要です。仕事の基本で あるコミュニケーションは技術革新が進んでもその重要性に変わりはなく、コミュニケーションが機能しないと会社の成長は難しいということを確信するからです。適切なリスク対応によるASVの推進 2017-2019(for 2020)中期経営計画を達成するためには、リスクの所在を把握し適切に対処していくことも重要 です。食と健康を通じて、命や人間の存在そのものに関わる企業として、日常の細部に至るまで細心の注意を払うことは当然のことですが、持続可能な開発目標(SDGs)などの国際的な要求や栄養課題の解決に対する社会からの期待が高まる中、能動的なリスクテイクもしながらASVを推進していきます。そのためには日頃から関連情報をできるだけ集め、その情報に基づいて、リスクをできるだけ小さくすることも、私たち社外取締役に課せられた使命であると認識しています。齋藤 泰雄社外取締役57社外取締役メッセージ外交官としての経験を活かし、グローバル食品企業トップ10クラス入りに貢献していきます。

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