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料理のプロが伝授!「エコうま」な知恵 
プロの料理研究家の先生方に、食材を大切に使うヒント、祖父母から引き継いだ「エコうま」の知恵、おすすめの「エコうま」メニューなどをうかがいました。先生方の言葉には、食材を丸ごとおいしく食べて欲しいという作り手の思いが込められています。

  • Episode 3 若林三弥子先生
  • Episode 2 安井レイコ先生
  • Episode 1 田村隆先生
Episode 3 若林三弥子先生 【「おいしいね!」の笑顔が見たい。相手を思うその気持ちがエコの第一歩だと思います。】若林 三弥子さん 大人気の料理サロン「ボアメーザ」を主宰する料理研究家若林三弥子さん。 
「最後のひと口までおいしく食べてほしい」という一心から編み出したスーパー調理法「蒸しいため」には、人とエコへの思いやりがいっぱい!そこで自慢の「蒸しいため」した「エコうまレシピ」をご紹介いただきました。

わずかな塩・油・水と“だし”で素材のうま味と栄養をギュッ!

「蒸しいため」は、「茹でる」「蒸す」「炒める」よりもおいしくて、しかもあっという間にできる、とっても簡単な調理法です。必要なのは、少量の塩、油、水分、と“だし“だけ。これを野菜と一緒に鍋やフライパンに入れ、フタをして強火で2~3分加熱して「蒸しいため」するだけで、野菜がぐんとおいしくなるんですよ。

それは、塩の浸透圧で引き出された野菜のうま味が、油の働きで循環した水蒸気によって、再び野菜自身に戻るから。さらに油のコーティング効果でうま味をしっかり包み込むので、野菜の味を濃く感じるんです。

また、水蒸気や余熱を活かして短時間で仕上げることで、野菜の栄養を逃がさず、エネルギーの節約になるのもうれしいですね。

簡単!「蒸しいため」のプロセス。 
1.フライパンに野菜を並べます。 
2.塩小さじ1/4(1g)と「味の素KK 丸鶏がらスープ」小さじ1/3(2g)、ひとたらしの油、水大さじ1~3を入れます。 
3.蒸気が逃げないようにぴったりフタをして、強火で1~3分加熱します。火を止め、そのままフタをして2分程度、好みの硬さになるまで余熱を入れます。 
※野菜により水加減、加熱時間が異なります。
ワンポイント! 
野菜別「蒸しいため」タイム。 
加熱時間のおおよその目安を、野菜別にご紹介いたします。 
野菜重量200gに対する時間と水分量の目安。 
加熱1分/水分 大さじ1、火の通りやすい野菜やほうれん草などの葉物など。 
加熱1~2分+余熱1分/水分 大さじ2、きのこ類、ブロッコリー、いんげん、アスパラガスなど。 
加熱3分以上/水分 大さじ3、いも類、根菜類、キャベツ、白菜などしっかり火を通したい野菜など。
「蒸しいため」した野菜を使えば、さらにおいしさグレードアップ!「蒸しいため」は使う調味料がとてもシンプル!そのまま食べてもおいしいですが、そこからさらに展開することもできます。「蒸しいため」の一手間を加えるだけで、お料理がワンランク上のおいしさになるんです。ここでご紹介するのは“かぶ”と“にんじん”、“玉ねぎ”の「蒸しいため」のお料理。同じ鍋で一度に下ごしらえした野菜が、3品の全く違うお料理に簡単に変身します。
ベースの「蒸しいため」 
かぶ・にんじん・玉ねぎ。 
・かぶ(皮付き・8等分のくし形切り)、葉6~8個。 
・にんじん(皮付き・5mm半月切り)2本。 
・玉ねぎ(薄切り)1/6個。野菜を鍋に並べ、「味の素KKコンソメ」顆粒小さじ1/3、塩小さじ1/4、油ひとたらし、水大さじ3を入れる。 
フタをして強火で2分加熱する。 
かぶとかぶの葉、玉ねぎは取り出し、にんじんは余熱にかける。
【かぶまるごとポタージュ】 
「蒸しいため」したかぶと玉ねぎに、白味噌でコクをプラスし、ミキサーでなめらかに仕上げた、深い味わいのポタージュ。葉も浮き実に使い、彩り豊かに。 
【にんじんのグラッセ】 
「蒸しいため」したにんじんを、バターで軽くソテーしただけで、にんじん本来の甘みを感じられるグラッセに。 
【かぶとにんじんのマリネ】 
「蒸しいため」したかぶとにんじんをマリネ液(はちみつと酢、オリーブオイル)に漬けるだけで、酸味のさわやかなマリネに。

下ごしらえだけじゃない!「蒸しいため」は家族のごちそうにも

「蒸しいため」は、素材そのものがぐんとおいしくなり、そのままメインディッシュになるのもいいところです。たとえば、野菜がメインの鍋料理も、「蒸しいため」はおすすめです。煮込む前に、野菜を鍋ごと「蒸しいため」してみてください。
一度うま味を凝縮することで、その後どんなに煮込んでも、うま味が逃げるどころか、ますますおいしくなるんです。

この「キャベツとトマトとベーコンの煮込み鍋」は、野菜とベーコンのうま味で、キャベツが1個ぺろりと食べられると人気の一品。野菜の芯からも“だし”が出るので、ぜひ一緒に鍋に入れてくださいね。

野菜本来のおいしさを追求したらエコな調理法にたどりつきました

6年間の南米での生活を終えて日本に帰って来た時、料理をしてまず感じたのは「野菜の味が薄い!」ということでした。南米は土壌が肥沃なので、野菜の味がとっても濃いんです。何とかあの味を再現したいと思い、ありとあらゆる調理法を試しました。そしてたどりついたのが、わずかな調味料で鍋の中の温度を一気に上げ、短時間で火を通す「蒸しいため」です。

おいしいものは、みんな残さず食べてくれますよね。私はそれがエコの基本だと思っています。しかも皮ごと、簡単に調理ができて、資源や料理をする人のエネルギーまで節約できるのなら、すばらしいですよね。皆さんもエコを堅苦しく考えず、まずは「おいしく食べてほしい」という気持ちを大切に、そこから始めてみませんか?

取材後、撮影用の料理を試食させていただいたところ、野菜の甘くておいしいこと!
あんなにシンプルな調理法でなぜ?と思うほど、普段食べている野菜とは格段に味が違いました。
野菜の苦手な子供でも、「蒸しいため」した野菜ならパクパク食べるということですが、実際にいただいてみて納得しました。

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おすすめ「エコうまレシピ」

Recipe 1 
ブロッコリーのハムマヨネーズソース。 
【材料】4人分 
・ブロッコリー:1株 
・ハム(スライス):100g 
・「ピュアセレクト® マヨネーズ」:大さじ1 
・白こしょう:少々 
A(「味の素KK 丸鶏がらスープ」:小さじ1/3(2g) 
塩:小さじ1/4(1g) 
サラダ油:ひとたらし、水:大さじ2)
ブロッコリーのハムマヨネーズソース
【作り方】 
(1)ブロッコリーは洗って小さい房に分け、ハムはせん切りにする。 
(2)鍋やフライパンにブロッコリーを並べ、ハムは後で取り出しやすいように散らさずに入れる。 
Aを加えてフタをし、強火に2分加熱する。フタをしたまま余熱に2分かける。 
(3)ハムは「ピュアセレクト® マヨネーズ」とともにフードプロセッサーやミキサーにかけてソースにし、白こしょうで味を仕上げる。 
(4)ブロッコリーを器に盛り付け、ハムマヨネーズソースをたっぷりかける。 
※お好みで、ブロッコリーと一緒に1/2片~1片のニンニクを包丁で潰して入れて「蒸しいため」してもおいしいです。
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Recipe 2 
かぶまるごとポタージュ。 
【材料】4人分 
「蒸しいため」したかぶ(皮付き・8等分のくし形切り):4~6個 
「蒸しいため」した玉ねぎ(薄切り):1/6個 
白味噌:小さじ1 
バター:10g 
水:200ml
かぶまるごとポタージュ
【作り方】 
(1)鍋に「蒸しいため」したかぶの実と玉ねぎを入れ、水を加えて火にかけ、沸いたら2~3分煮てやわらかくする。 
(2)(1)をミキサーに入れ、白味噌も加えてなめらかになるまで撹拌する。 
(3)かぶの葉は細かく刻み、温かいうちに溶かしバターと一緒にフードプロセッサーにかけ、少し繊維が残る程度のピュレ状にする。 
(4)スープを器によそい、ピュレをトッピングする。
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Recipe 3 
にんじんのグラッセ。 
「蒸しいため」したにんじん(皮付き・5mm半月切り):1本 
バター:1本 15g
【作り方】 
(1)フライパンに「蒸しいため」したにんじんを入れ、バターを加えて中火にかけフタをする。 
(2)バターが溶けてにんじんがほどよい硬さになったらフタを外し、強火にしてゆすり照りをつける。 
(3)器に盛り付ける。
にんじんのグラッセ
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Recipe 4 
かぶとにんじんのマリネ。 
「蒸しいため」したかぶ(皮付き・8等分のくし形切り):2~3個分 
「蒸しいため」したにんじん(皮付き・5mm半月切り):1本 
[マリネ液]: 
A(酢:カップ1/4、はちみつ:カップ1/4、塩:小さじ1/2、粒こしょう:少々) 
オリーブオイル(エクストラバージン):カップ1/2
かぶとにんじんのマリネ
【作り方】 
(1)マリネ液を作る。Aをよく混ぜ合わせ、ゆっくりとオリーブオイルを加えながら、ホイッパーまたは泡だて器でしっかり撹拌し、乳化させる。 
(2)かぶとにんじんを(1)でマリネする。
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Recipe 5 
キャベツとトマトとベーコンの煮込み鍋。 
キャベツ:小1個 
トマト:2個 
ベーコン(ブロック):150g 
水:カップ2 
しょうゆ:少々 
A(塩:小さじ1/4、サラダ油:ひとたらし、「ほんだし®」:小さじ1、水:大さじ3)
キャベツとトマトとベーコンの煮込み鍋
【作り方】 
(1)キャベツは縦半分に切り、芯の部分を除き、くし形に切って鍋に入れる。その上にへたをくり抜いたトマトをのせ、大まかに切ったブロックベーコンを加える。 
(2)キャベツの芯、Aを加えてフタをし、強火にかけて3分間加熱する。 
(3)水を加え、弱火でやわらかくなるまで煮込む。 
(4)しょうゆをふって味をととのえる。 
※フタをしたまま冷まして味をなじませ、食べる直前にもう一度温めると一層おいしいです。
若林先生のエピソード 安井先生のエピソード
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