土壌調査とその対応

2003年1月27日
味の素株式会社

味の素(株)有馬所有地周辺土壌調査結果

1.はじめに

味の素株式会社では、地球環境とグローバルな企業活動との調和をはかり、継続的な環境改善に努め、よりよい社会の実現に貢献するという理念の下に、環境に対する積極的な取組みを図ってまいりました。
2002年9月17日に、30数年ほど前に当社の廃棄物処分場であった川崎市宮前区有馬の当社所有地に関する土壌調査結果を発表いたしましたが、これに引き続き、この程、当該所有地周辺について土壌調査を実施しました。両調査の結果から、当該処分場における廃棄物埋め立て範囲を特定しました。また、土壌および地下水の状況を把握し、近隣の皆様の健康や環境への影響のないことを確認いたしましたので、ご報告させていただきます。
なお、調査結果を1月21日に川崎市に報告し、また1月25日に近隣住民の皆様にご説明いたしました。

2.調査について

2-1.目的

現有馬所有地敷地内の調査結果(2002年9月17日公表)を踏まえ、

  • 1)旧所有地における廃棄物の埋設状況を特定する。
  • 2)旧所有地ならびに周辺の土壌および地下水分析を行い、安全性を確認する。

2-2.調査内容

換地前の旧所有地(既に調査済みの現所有地部分を除く)およびその周辺の範囲について、現所有地についての前回調査と同様に、「土壌・地下水に係る調査・対策指針運用基準(環境庁水質保全局、平成11年)」および「川崎市公害防止等生活環境の保全に関する条例施行規則(平成12年12月1日)」に準じボーリング調査を実施しました。

  • 土壌調査:調査地点数21、試料数196
  • 地下水調査:調査地点数18、試料数19

2-3.調査結果

覆土:
調査全域にわたり充分な盛土やアスファルト舗装により覆土されています。
埋設物:
廃棄物がほぼ旧所有地敷地のうちの西側部分の区域内に埋め立てられていたことが確認され、昭和41年から45年にかけて行われた廃棄物埋め立ての範囲および深度が特定されました。廃棄物の内容は、前回調査結果と同様、建築廃材、ガラス、ゴムなど雑多なものでした。
土壌:
分析の結果、一部の地点において基準の超過がありましたが、大部分の地点においては基準超過がありませんでした。
基準超過なし: 21地点中  15地点、 196試料中  177試料
基準超過あり: 21地点中  6地点、 196試料中  19試料
基準を上回る項目としては、前回調査結果と同様、主に水銀が検出(溶出量基準で1地点、4試料、最大値で基準の6倍、含有量基準で3地点、8試料、最大値で基準の22倍)されました。
地下水:
1地点の地中溜まり水(宙水)から、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素が基準の1.1倍検出されましたが、水銀等で環境基準を上回るものはありませんでした。その他の17地点では、環境基準の超過はありませんでした。

2-4.原因

水銀については、当社川崎事業所で昭和49年まで水銀を触媒とする方法により苛性ソーダの製造を行っており、その工場からの廃棄物が混入したことが主な原因と推定されます。

2-5.見解

  • 1)基準を上回る重金属等が検出された箇所は、充分な覆土やアスファルト等により封じ込められているので、直接摂取される状態にない
  • 2)地下水に異常がないことが確認されましたので、前回調査結果も含め、近隣住民の皆様の健康や周辺環境への影響はないものと判断いたします。

2-6.今後の対応

既に実施している現所有地に加え、旧所有地ついて定期的な地下水のモニタリングを実施します。今後も引き続き、近隣の皆様や川崎市水質課と相談の上、近隣の皆様の健康や環境への影響がないよう対策をとってまいります。

以上