土壌調査とその対応

2003年5月20日
味の素株式会社

川崎市高津区下野毛に於ける土壌調査結果について

<はじめに>

味の素株式会社では地球環境とグローバルな企業活動との調和をはかり、継続的な環境改善に努め、よりよい社会の実現に貢献するという理念の下に、環境に対する積極的な取り組みを図ってまいりました。当社は土壌汚染対策法の施行に伴い、グループ会社を含めて土壌調査を計画的に実施し、公表してまいりました。今回は、川崎市高津区下野毛に当社が所有する、味の素物流(株)多摩川物流センターの敷地と子会社のクノール食品(株)が所有する敷地について調査を実施して、土壌及び地下水の状況を把握しましたので、その結果を報告させていただきます。

1.味の素物流株式会社多摩川物流センター敷地の調査
(川崎市へ調査結果報告:2003年3月20日)

(1)目的

土壌汚染対策法施行をひかえ、安全の確認を目的に自主調査を実施しました。

(2)調査内容

現在の会社敷地について、「土壌・地下水に係る調査・対策指針運用基準(環境庁水質保全局、平成11年)」および「川崎市公害防止等生活環境の保全に関する条例施行規則(平成12年2月1日)」に準じ、土壌、地下水の調査を実施しました。

(3)調査期間

2002年11月18日〜12月28日

(4)調査結果

<表土ガス>
環境基準値を超える物質はありませんでした。
<土壌>
環境基準値を超える物質はありませんでした。
<地下水>
環境基準値を超える物質が、一部に検出されました。
環境基準値を超えた物質とその汚染程度は次の通りです。
トリクロロエチレン :基準の2.5倍
cis-1,2-ジクロロエチレン :基準の4.3倍
ホウ素 :基準の1.1倍

(5)原因

上記の基準値を超えた物質の内、トリクロロエチレン、cis-1,2-ジクロロエチレンは、現在まで、当敷地内で使用していませんので、敷地外部の影響を受けている可能性が考えられます。またホウ素については、自然由来の可能性が考えられます。

(6)見解

  1. 表土ガス及び土壌調査結果では、基準を超過した物質はなく、問題はありません。
  2. 地下水については、周辺からの影響や自然由来と考えられる汚染がありましたが、飲用に供しなければ問題は有りません。当社としては、今後も継続的に観察を行い、川崎市当局と連携の上で、対応してまいります。

2.クノール食品株式会社敷地の調査
(川崎市へ調査結果報告:2003年3月26日)

(1)目的

土壌汚染対策法施行をひかえ、安全の確認を目的に自主調査を実施しました。

(2)調査内容

現在の会社敷地について、「土壌・地下水に係る調査・対策指針運用基準(環境庁水質保全局、平成11年)」および「川崎市公害防止等生活環境の保全に関する条例施行規則(平成12年2月1日)」に準じ、土壌、地下水の調査を実施しました。

(3)調査期間

2002年11月18日〜12月28日

(4)調査結果

<表土ガス>
環境基準値を超える物質はありませんでした。
<土壌>
  • 表土調査において、一箇所から(26箇所調査)環境基準値を超える物質が検出されました。
    基準を上回った物質は鉛で、1.2倍の超過(溶出量基準)でした。
  • 表土以深の土壌調査において、一部の地点で基準の超過が検出されたものの、大部分の地点において、基準超過はありませんでした。
    基準を上回った主な物質は、総水銀で最大25倍の超過(含有量基準)が検出されました。
<地下水>
環境基準値を超える物質が、一部で検出されました。
環境基準値を超えた物質とその汚染程度はつぎの通りです。
cis-1,2-ジクロロエチレン :最大で基準の3倍
ホウ素 :最大で基準の6.3倍
:基準の2.2倍
砒素 :基準の4倍

(5)原因

当地は昭和30年代に、廃棄物処分場として使用されていた地歴があります。当社も当時、この敷地に、川崎工場の廃棄物を埋設した経緯があり、土壌中から検出された総水銀は、その廃棄物に混入していた可能性があります。しかし鉛、砒素については原因が分かりません。また地下水について敷地内の埋設物由来及び周辺からの影響や自然由来と考えられます。

(6)見解

  1. 基準を上回る重金属などが検出された箇所は、充分な覆土や、アスフアルトなどにより、封じ込められていますので、生活や操業する上で、全く問題ないことを確認しました。
  2. 地下水については、周辺からの影響や自然由来と考えられる汚染がありましたが、飲用に供しなければ問題は有りません。当社としては、今後も継続的に観察を行い、川崎市当局と連携の上で、対応してまいります。