財務担当役員メッセージ

  • 投下資本の効率性を高め
    ASVによる株主価値向上を確かなものに
  • 常務執行役員
  • 中野 哲也
投下資本の効率性を高め
ASVによる株主価値向上を
確かなものに

当社グループは、17-19中計において2020年度の事業利益率10%およびROE10%以上を財務構造の目標としてきましたが、達成が難しい状況です。次期中期経営計画において確実に目標を達成するために、重点事業に成長投資を集中し、グループ内の現預金の還流による効率的活用や政策保有株式の売却等のリソースアロケーションを進めます。こうした「アセットライト化」により、サステナブルな成長回帰を目指し、2019年度は次期中期経営計画に向けた準備の年として、これらの構造改革を可能な限り前倒しで着手していきます。

2018年度業績サマリー

  • 売上高: 増収 1兆1,274億円(対前年+1%)
    製薬カスタムサービスおよび医薬用・食品用アミノ酸の大幅増収に加え、海外の冷凍食品や調味料・加工食品の増収等
  • 事業利益: 減益 926億円(対前年-3%)
    日本・海外の冷凍食品やコーヒー類が大幅減益となったほか、持分法による損益としてプロマシドール・ホールディングス社の商標権に係る減損損失を計上(32億円)
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益: 減益 296億円(対前年-51%)
    味の素フーズ・ノースアメリカ社およびイスタンブール味の素食品社に係るのれんの減損損失、並びにプロマシドール・ホールディングス社に係る持分法で会計処理されている投資に係る減損損失を計上(279憶円)
  • ROE: 4.7%(対前年-4.9%ポイント)
  • 配当: 年間32円(前年度同額)

2019年度業績予想

  • 売上高: 1兆1,710億円
  • 事業利益: 970億円
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益: 500億円
  • ROE: 8.0%

株主価値向上に向け、ROE向上と営業キャッシュ・フロー最大化

株主価値の向上に向け、ROE向上および営業キャッシュ・フロー最大化を重点課題として取り組んでいます。

株主価値向上に向けた取り組み
株主価値向上に向けた取り組み
  • CCC:キャッシュ・コンバージョン・サイクル

ROE向上と「アセットライト化」

グローバル食品企業トップ10クラスの資本効率性を実現するためには、資本コストをコントロールし加重平均資本コスト(現状5%程度)をより大きく上回るようROEを向上させていくことが大切だと考えています。トップラインの成長による利益最大化が難しくなっている現状において、持続的に資本の効率性を上げ企業価値を上げていく、すなわちROEを向上させていくために、資産回転率を上げていくことが欠かせません。重点事業に成長投資を集中し、構造改革により非重点事業の割合を縮小するとともに、リソースアロケーションを行っていく「アセットライト化」の推進により投下資本の効率性を高め、ROEの向上につなげていきます。

リソースアロケーションは、グループ内の現預金の還流による効率的活用や、政策保有株式の縮減、機能子会社の再編、JVの見直し等を通じて有利子負債をコントロールするとともに、これまで取り組んできている日本、北米、欧州、タイ等地域別のキャッシュマネジメントをより高度化し、効率的なものにしていきます。

重点事業の資産効率をより向上していくために事業別のROAをより重視していきます。また投下資本に対する利益率を高めて、ステークホルダーとも同じ視点を持つために、ROICを新たに財務構造目標の一つとして導入しました。

営業キャッシュ・フローの最大化と成長投資

重点事業に投資を集中し成長を加速させるために、その原資となる営業キャッシュ・フローの創出力を強化していくことが大切だと考えています。事業の成長と、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)の効率化に取り組んでおり、2018年度については営業活動によるキャッシュ・フローで1,232億円を創出しました。CCCについても1.2日の短縮を図ることができました。

2019年度についても2018年度と同程度の営業キャッシュ・フローを予定しています。

成長投資については、設備投資、R&D、M&Aを三位一体でマネジメントしていますが、2019年度は一層重点分野の成長領域への傾注を図り、設備投資計画815億円のうち利益拡大投資の比率を6割程度に引き上げる予定です。

株主還元方針

配当額および配当性向
配当額および配当性向

17-19中計では、株主還元に関する基本方針を、単年度の配当性向30%、3ヵ年の総還元性向50%以上としています。2018年度は400億円を上限とする自己株式取得を実施しました。今後も安定的な株主還元を継続していく方針で、2019年度も年間32円の配当を継続する予定です。

次期中期経営計画に向けて

次期中期経営計画では、アセットライト化、DX推進により資本の効率性を高め、グローバル食品企業トップ10クラスの財務構造の実現を目指します。

2019年度財務戦略全体像と次期中期経営計画における考え方
2019年度財務戦略全体像と次期中期経営計画における考え方
  • 1 FY15よりIFRS基準
  • 2 除くアグロ2アグリ社

ステークホルダーとの対話のさらなる充実に向けて

ステークホルダーの皆様との対話の充実に向け、日々のコミュニケーションに加え、年に一回「統合報告書トピックス説明会」を開催しています。2019年6月には「電子材料事業説明会」を開催し、今後も事業別の説明会を企画していく予定です。このような取り組みを継続し、対話の質をさらに高めていきたいと考えます。