味の素グループ 生物多様性に関する考え方と行動指針

味の素グループ

制定日 : 2012年1月

味の素グループの事業活動は、農、畜、⽔産資源や遺伝⼦資源などの⾃然の恵みに⼤きく依存しています。
これら⾃然の恵みは、多様な⽣物とそれらのつながりによって形作られる健やかな⽣態系やそれを⽀える⽣物多様性によって提供されています。したがって、⽣物多様性は、事業の存続・発展を考える上で最も基本的な要素であり「事業活動の基盤」と⾔えます。また、⼈々のいのちと暮らしを⽀える「地球のいのちの基盤」でもあります。しかし、⽣物多様性は現在、過去に類を⾒ない速度で失われており、⽣物多様性の保全が世界的に喫緊の課題となっています。

私たち味の素グループは、グループ理念の中に「いのちのために働く」ことを掲げ、⼈々が平和で豊かに暮らせる持続可能な社会の実現のために事業活動を通じて貢献したい、そして、その社会の中で将来にわたって⻑く必要とされる企業であり続けたいと願っています。そこで、⾃らの「事業活動の基盤」であり「地球のいのちの基盤」でもある⽣物多様性への取り組みをグループの最重要課題の⼀つと認識して、その保全と持続可能な利⽤に取り組みます。

そのために、以下の⾏動指針を定めます。

⽣物多様性⾏動指針

⽣物多様性問題への取り組み⽅

  1. ⽣物多様性に関する問題と、気候変動、⽔資源の減少、廃棄物処理などの他の環境問題とは相互に密接にかかわり合っており、分けて考えることはできません。この相互の関係性を考慮し、⽣物多様性の保全や⽣物資源の持続可能な利⽤への取り組みと、温室効果ガスの排出抑制や資源の有効活⽤、廃棄物の削減などの他の環境負荷低減への取り組みとが相互に効果的となるように取り組みます。
  2. グループの事業活動と⽣物多様性との関わり、すなわち、グループの事業活動が⽣態系や⽣態系サービスにどのように依存しているか、また、どのような影響を与えているかを把握します。
  3. その上で、事業活動の影響のネットポジティブ化※を意識し、事業活動が⽣物多様性に与える影響を減らし⽣態系の持つ再⽣産能⼒や物質循環能⼒の範囲内で⾏われるように改善していくとともに、⽣態系の回復にも寄与することを⽬指します。
  4. ⽣物多様性に関する国際的な規則や取り決めを遵守します。
  5. サプライチェーン管理

  6. ⽣態系や⽣物多様性に配慮して⽣産された原材料の使⽤を推進します。
  7. ・使⽤する原材料の⽣産地の状況を把握します。

    ・⽣態系や⽣物多様性の破壊にかかわる⽣産地や供給経路からの調達を避けます。

    ・天然⽔産資源等の資源量調査や資源管理に貢献します。

  8. ⽣態系や⽣物多様性に配慮した輸送⽅法の使⽤を推進します。
  9. ・外来侵⼊種問題を認識し、原材料や商品の輸送における不⽤意な⽣物の移動に伴って各地の⽣態系を撹乱しないように、輸送⽅法の選択に配慮します。

    価値提供

  10. ⽣態系や⽣物多様性への負担が少なく、⼈と地球のいのちに貢献する商品・サービスや技術・システムの開発を推進します。
  11. 敷地管理

  12. 事業所敷地の環境を地域の⽣態系や地域社会と調和したものにします。
  13. ・事業所の果たすべき基本的機能と周囲の⽣態系の相互向上を⽬指した、事業所敷地や植⽣の設計、管理を進めます。

    ・地域における⽔資源の循環に配慮した取⽔と排⽔、⽔の利⽤を⾏います。

    協働

  14. 広く社会と協働することで、⽣物多様性への取り組みを推進します。
  15. ・味の素グループが⾏う⽣物多様性の保全と⽣物資源の持続可能な利⽤に関する状況や活動を公表し、社会からの評価を取り組みの改善に活⽤します。

    ・⽣物多様性への取り組みをより効果的に展開するために、⾏政、専⾨家、NGO、地域社会、他の企業等と協⼒します。

  16. 啓発活動などにより、社員はもとより社会各層における⽣物多様性についての理解促進に貢献します。
  17. ※ 正味でプラスの影響を与えること。