味の素グループ 紙の環境配慮調達ガイドライン

味の素グループ

制定日 : 2012年1月

改定日 : 2014年4月1日

1. 前⽂

現在、世界の森林は、毎年急激な速度で失われている。森林は⽊材の供給源であるだけではなく、多くの⽣物が⽣活する場所としても重要である。また、⽔や地球温暖化の原因である⼆酸化炭素を蓄える場所として、⽔の浄化、⼟砂崩れ等の災害の予防、気候の安定等にもなくてはならない役割を果たしている。さらには、レクリエーションや⽂化を醸成する場としても重要である。そのため、森林の減少は、健やかな⽣態系や私たちの快適な⽣活にとって⼤きな脅威であり、森林保全は世界的に重要な課題となっている。

味の素グループは事業活動の様々な場⾯で森林と関わっている。特に、私たちが事業活動を通して使⽤する⼤量の「紙」は、多くの⽊材を利⽤して⽣産されている。私たちは、持続可能な社会の構築に貢献することを⽬指す企業として、事業活動により国内外の森林減少・劣化を招くことがないように、紙の使⽤量を節減するとともに、環境・サスティナビリティの観点での紙の調達基準として「味の素グループ紙の環境配慮調達ガイドライン」を策定し、適切な原料から⽣産された「紙」の使⽤を推進する。

2. 対象範囲

味の素グループ企業が使⽤する紙

  • 事務⽤紙(コピー⽤紙、封筒、印刷物や商品パンフレット等)
  • 容器・包装⽤紙(商品の輸送に使⽤する梱包材を含む)
  • 販促資材(ボード、什器、POP 等)に使⽤する⽤

3. ⽅針

  1. 紙製品の原料となる⽊材の伐採時に、環境⾯・社会⾯で保護価値の⾼い森林 注1)を破壊していないことを第三者が認証した紙、および古紙利⽤100%の再⽣紙を優先的に調達する。
    【適合する具体的な対象】 FSC 認証紙および原料として古紙を100%利⽤した紙
  2. 上記⽅針1 に適合する紙が調達できない場合、紙製品の原料となる⽊材の伐採時に環境⾯・社会⾯で保護価値の⾼い森林注1)を破壊していないことを取引先が確認し、かつその妥当性を味の素グループが認めた紙を調達する。
    【適合する具体的な対象】 FSC のコントロールドウッドおよびそれと同等以上のレベルで管理された⽊材もしくは古紙を原料とする紙
  3. 以下の紙の調達を⾏わない。
    ・紙製品の原料となる⽊材の伐採にあたって、原⽊の⽣産される国または地域における森林に関する法令に照らし、⼿続きが適切になされたことが確認できない紙

【注記】 本⽅針は⽊材を原料とした紙の環境配慮調達について定めたものであり、環境に配慮された⾮⽊材紙の利⽤を制限するものではない。

4. 取り組みの姿勢

  • 本⽅針は定期的に内容の⾒直しを⾏う。
  • 本⽅針に合致する紙の調達に向けて、取引先、社外有識者、NGO、認識を共有する他企業などの関係者と情報交換をするとともに、必要な働きかけ、協⼒を⾏う。
  • 本⽅針に合致する紙の調達を確実に⾏うため、数値⽬標とアクションプランを策定するとともに、毎年の実績を公開する。
  • 本⽅針に合致する紙の調達にあたっては、責任ある紙の調達⽅針を有している事業者との取引を優先する。
  • ⽅針1 および⽅針2 に適合する紙が調達できない場合は、⽅針2 に準ずるものとして味の素グループが定める環境配慮紙を使⽤する。

注1) 保護価値の⾼い森林(High Conservation Value Forests:HCVF)とは、以下のいずれかにあてはまるものと定義す る。 http://www.wwf.or.jp/activities/2009/09/701514.html

環境⾯

  • 世界的、地域的、国内的に重要な、固有種、絶滅危惧種、退避地などの⽣物多様性価値が集中する森林地域
  • 世界的、地域的、国内的に重要な、⾃然に⽣息する種のすべてまたはその殆どの⽣存可能な個体群が⾃然な分布・個体数で存在する、森林管理区画に含まれるかまたは森林管理区画を含む広⼤な景観レベルの森林を含む森林地域
  • 希少な、絶滅のおそれのある、または絶滅の危機に瀕する⽣態系の中にあるか、またはそれを含む森林地域
  • 危機的な状況において、⽔源の保護、⼟壌侵⾷制御など、⾃然の基本的なサービスを提供する森林地域

社会⾯

  • ⽣存や健康など地域コミュニティーの基本的要求を満たすために⽋かせない森林地域
  • 地域コミュニティーの伝統的な⽂化的アイデンティティーにとって重要な森林地域