知的財産に関する基本方針

知的財産部は、味の素グループの競争優位の確立・利益創出・グローバルな成長に貢献するべく、「1. 発明の発掘、事業のコアとなる技術の戦略的かつ効率的なノウハウも含めた知的財産の獲得」「2. オープンイノベーション等、積極的な外部技術の取り込みと連携」「3. 自社技術のライセンスや訴訟等、保有技術の活用と権利行使」「4. 商標制度等を活用した製品の保護とブランド価値の向上」「5. 第三者知的財産権の尊重と調査、クリアランスの徹底による侵害リスクの極小化」「6. 調査解析情報のグループ事業部門・R&D部門への提供」「7. 知的財産人財の育成、社内外ネットワークの活用」を進めています。

知的財産部門の組織

味の素(株)知的財産部は、グループ会社の関連部門、担当者と連携して、味の素グループ全体の知的財産(特許、意匠、商標など)を統括しています。また、グループ関連会社として、調査、知財権維持管理業務を専門とする(株)アイ・ピー・イーがあり、味の素(株)知的財産部より業務を委託しています。グローバルには、米国バージニア州に駐在員、モスクワに知的財産専門のスタッフを配置するほか、アセアン、南米の各法人には知財キーパーソンを指名しており、知的財産部とともに知的財産関連業務を担っています。特に、バイオ関連技術については、日・米・ロシアの3拠点が連携し、強い特許権の獲得を進めています。

事業への貢献(トピックス)

(1)鶏のだしをベースに、こがしにんにく油などの香味油と調味料を配合したペースト状調味料の「香味ペースト®」、瀬戸内・備前岡山の海水のみを使用して作られた国産原料100%の塩調味料「瀬戸のほんじお®」、味の素冷凍食品(株)の「ザ★チャーハン」「ザ★シュウマイ」に使用しているシリーズ名「ザ★®」について、商標出願を行いました。特許庁の審査は難航することもありましたが、それぞれの商標の独創性や味の素グループの事業、営業努力による市場の認知度向上も含めた主張が認められ、いずれの商標も2017年から2018年にかけて登録されました(商標第6001822、6011911、6043726号)。味の素(株)は今後もブランドを大切にし、商標権による商品・サービスの保護を積極的に進めていきます。
(2)「アミホープ®」LL/OLは、L-リジンと脂肪酸からなるアミノ酸系香粧品素材で、感触改良剤です。このうち、新発売の「アミホープ®」OLは、Nε-カプリロイル-L-リシンの粉体で、塗布時の軽さと塗布後のしっとり感、高い透明感などの特徴を有し、メークアップ用途において期待の原料の一つです。味の素(株)は、「アミホープ®」OLのメークアップ用途に係る特許を出願していましたが、本格的な拡販活動開始にあわせて特許庁のスーパー早期審査制度を活用しました。2017年7月に早期審査の事情説明書を提出し、その後、2カ月余りで特許査定を得ることができました(特許第6233405号)。

知的財産教育の充実

研究者向けには、経年・職層別の知的財産研修のほか、データベースを使った特許・文献調査の実務研修を行っており、営業・マーケッター向けには、商標・契約の研修を実施しています。

2017年度は約60回の研修を実施し、参加人数は延べ約2,000名でした。

味の素(株)特許の他社特許への影響

(株)パテント・リザルト(東京都文京区)では、2017年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計して、「食品業界 他社牽制力ランキング2017」を発表しています(下表)。引用された特許数が多い会社は、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業としています。味の素(株)は、昨年に引き続き、同ランキングにおいてトップとなりました。