2002年 6月11日
味 の 素 株 式 会 社
味 の 素ハートランド株式会社

米国における飼料用スレオニン生産設備新設

及び飼料用リジン生産設備増強について

  味の素株式会社は、「食品・アミノ酸系の日本から出発した世界企業」を目指し、グローバルに事業を展開しております。その1つである飼料用アミノ酸ビジネスは、リ−ディングカンパニ−として、世界6拠点に展開しています。

  この度、米国において、近年の急速な需要拡大に対応するため、味の素ハートランド株式会社(本社:米国イリノイ州シカゴ、工場:アイオワ州エディビル)は、飼料用スレオニンの生産設備を新設すると共に、飼料用リジンの生産設備を増強致します。

  飼料用スレオニンの生産能力は年間1万トン、設備投資額は42億円(39百万ドル・決裁時レート使用)で、本年5月末に完工致しました。一方、飼料用リジンの生産能力は、現行年間4万トンから年間5万トンまで拡大し、設備投資額は約13億円、完工時期は、本年7月を予定しています。

  飼料用スレオニンは、養豚の第二制限アミノ酸として、第一制限アミノ酸である飼料用リジンに加えて飼料に配合することにより、家畜の成長を促進し、飼料効率の向上により飼料コストを軽減します。

  飼料用スレオニンの市場拡大は、AJINOMOTO ANIMAL NUTRITION GROUPの最重点課題であり、今年度は北米における市場創出に最大限の資源投入を図ります。飼料用スレオニンは、現在、全世界で3万3千トンの需要があり、今後年率20%の成長が見込まれる魅力ある市場です。その中で、現在、約60%のシェアを有する(その大半は欧州市場向け)味の素ユーロリジン株式会社(本社:フランス パリ)は、本年10月に飼料用スレオニンの生産設備を、現在の年産1万9千トンから3万5千トンに倍増致します。それにより、今回の味の素ハートランド株式会社での新設と併せて4万5千トンの生産体制となり、飼料用リジンに次いで、今後急速な需要拡大が見込まれる飼料用スレオニン市場の更なる開拓を行い、全世界での安定供給を図ります。

  AJINOMOTO ANIMAL NUTRITION GROUPは、飼料用アミノ酸の利用拡大を通じて、限りある食料資源の有効活用、かけがえのない地球環境との調和、安全かつ高品質な食料供給に貢献することをミッションと考えています。

  近年、欧米を中心に、家畜の排泄物過多から窒素汚染による環境問題が深刻化しています。窒素汚染に関しては、飼料用アミノ酸の使用により飼料の低蛋白化が図られ、土壌、大気への総窒素排泄量及びアンモニア排出量を大幅に削減できることが知られています。また、飼料用リジンの世界使用量約60万トンは、大豆粕約18百万トン(全世界生産量の約15%、米国生産量の約半分)の蛋白量に相当し、飼料用アミノ酸の使用により、大豆粕等飼料中の蛋白源の使用を削減することが可能です。

  飼料用アミノ酸ビジネスは、味の素株式会社のコアビジネスの1つであり、今後、更なるコスト競争力の強化を図り、最適供給体制の構築に向けた積極的設備投資を行なってまいります。それにより、AJINOMOTO ANIMAL NUTRITION GROUPは、グローバル・リーダーとして、世界6カ国の生販拠点で今後とも高品質な飼料用アミノ酸の安定供給と、地域に密着したカスタマー・サービスを行ない、お客様に貢献してまいります。
以上

 
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