2003年5月7日

かつおだしに新しい疲労回復効果
〜かつおのパワーの秘密を探る!〜
 味の素株式会社(社長 江頭 邦雄)では、かつおだしの健康機能に関しての研究も行っています。
かつおは海中を時速60kmで一生泳ぎ続ける魚です。かつおがこうして泳ぎ続けることができる理由の1つとしては、エネルギー源であるアデノシン3リン酸(ATP)*1からエネルギーを取り出す反応を促進させるアンセリン、カルノシンというジペプチド(いずれもアラニンとヒスチジンというアミノ酸がつながったもの)が関係していると言われています。
*1 生体のエネルギー源。わたし達が筋肉を動かす場合などにも、ATPがエネルギー源として利用されます。

 今回の研究では、かつおだしの疲労回復効果に注目。激しい運動をさせた後で、(1)水、(2)アンセリン、(3)カルノシン、(4)かつおだしのいずれかを与えた場合に、動物が自発的にどれだけ運動するか(自発運動量)そして、その時エネルギー源が肝臓にどれだけ残っているか(肝ATP/AMP比)を測定しました。その結果、かつおだしそのものを与えたグループが、アンセリン、カルノシンを単体で与えたグループに比べて、自発運動量、肝ATP/AMP比ともに一番高く、疲労回復効果が大きいことが示されました。かつおだしには、これまでに知られている成分以上に疲労回復効果がある未知の成分が含まれていることが示されました。この結果の詳細は、2003年5月19日に福岡で行われる日本栄養食糧学会で発表されます。



 味の素株式会社では、これからもかつおだしの健康機能などについてさらに研究を進めていきます。
以  上
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