2012年2月29日
日系企業初、2011年度ロシア科学技術政府賞を受賞
味の素−ジェネチカ・リサーチ・インスティチュート(AGRI)
 味の素株式会社(社長:伊藤雅俊 本社:東京都中央区)の研究開発
グループ会社、味の素−ジェネチカ・リサーチ・インスティチュート社(ロシア、以下「AGRI」)は、「アミノ酸生産に関する革新的バイオテクノロジープロセスの開発」により、2011年度 科学及び技術分野におけるロシア連邦政府賞※1(以下、「ロシア科学技術政府賞」)を受賞することとなりました。同賞はロシア連邦政府より授与されるロシアで最も権威ある賞の一つで、日系企業としての受賞となります。

 AGRIは、1998年に味の素社とロシアの国立研究機関であるGenetika Research Instituteとの合弁会社として設立され、2003年に味の素社の
100%子会社となりました。同社は外国企業によって設立されたロシア最初の研究合弁会社です。同社ではアミノ酸の発酵生産微生物の育種を中心とした研究開発※2を行っています。
 同社が受賞するロシア科学技術政府賞は、ロシア経済の発展に貢献をした優れた研究業績に対し、ロシア連邦政府より授与されるロシアで最も権威ある賞
 
の1つで、今回の受賞に関しては、現地時間2月6日(月)、プーチン首相により正式に承認書に署名され、2月15日(水)付で政令としてロシア新聞にて発表されました。

 今回受賞するプロジェクトと、受賞理由となった功績は下記の通りです。

【受賞するプロジェクト】
 「アミノ酸生産に関する革新的バイオテクノロジープロセスの開発」

【受賞理由となった研究業績】
   AGRIで開発された技術は現在、世界各国の当社の生産拠点で実用化されています。こうした世界規模での産業における上記プロジェクトの実績が認められ、また、その研究成果によって生産されるアミノ酸がロシアの農業等、ロシア経済の多くの分野に貢献していることが高く評価されました。加えて、AGRIは設立から12年にわたって、ロシアの科学技術の発展に大きく寄与してきたことが研究業績として評価されました。

 本ロシア科学技術政府賞は、ロシア連邦政府により毎年公募され、各産業分野から合計30のプロジェクトが採択されます(1プロジェクト10名が受賞)。2011年度の受賞プロジェクトの分野別内訳は、医療分野(4)、
バイオ分野(2)、建設分野(3)、宇宙分野(2)、農業分野(3)、軽工業分野(1)、化学分野(2)、IT分野(1)、エネルギー分野(8)、運輸分野(2)、資源分野(1)、材料素材分野(1)の計30件となっています。
 AGRIはバイオ分野で応募し、9ヶ月におよぶ政府審査会での審査を経て、昨年12月に内定を受けました。
表彰式は2012年12月にロシア連邦政府庁舎にて行なわれる予定です。
 上記プロジェクトの受賞者10名の中には、味の素社所属の日本人3名が含まれています。日系企業が受賞するのは今回が初めてです。

 味の素グループでは、研究開発が当社グループの成長ドライバーとしてのリーダーシップを担うべく、AGRIのほかグループ各社の研究開発部門と連携すると同時に、社外の研究開発ネットワークを活用した積極的な
オープン&リンクイノベーションを推進しています。

味の素−ジェネチカ・リサーチ・インスティチュート社(AGRI)の概要(2012年1月現在)
 (1) 社   名 味の素−ジェネチカ・リサーチ・インスティチュート社
(英文社名:ZAO "AJINOMOTO-GENETIKA Research Institute)
 (2) 所 在 地 ロシア連邦モスクワ市
 (3) 資 本 金 468,151,964ルーブル(約12億円 1ルーブル2.57円換算)
 (4) 株   主 味の素社 100%
 (5) 事業目的 アミノ酸・核酸等の生産微生物の研究並びにその関連基盤研究
 (6) 役員構成 日本人 7名、ロシア人 2名 計9名
社  長 ヴィタリ パラスケヴォフ
副社長 大西幾正
 (7) 要   員 114名(内研究者98名、当社より出向者3名)

 

※   1 科学及び技術におけるロシア連邦政府賞(ロシア科学技術政府賞):
ロシア経済の発展に貢献した優れた研究業績に対し、ロシア連邦政府より授与されるロシアで最も権威ある賞の一つで、応用科学分野プロジェクトを対象として選考される。同賞と並び権威ある賞に、主に基礎科学分野の研究者を対象としているロシア科学技術国家賞がある。
   
※   2 アミノ酸の発酵生産微生物の育種を中心とした研究開発
AGRIは、アミノ酸、核酸などの発酵生産微生物の育種を、当社と互いに連携しながら行なっています。
AGRIで育種された微生物は、世界各国にある当社グループの各生産拠点で利用されています。出願特許件数は、通算180件にのぼり、海外特許件数は約90件。また、約100報におよぶ科学雑誌で論文発表を行なっています。

 当社グループの研究開発ネットワーク等、当社の研究開発への取り組みについての詳細は、下記URL(http://www.ajinomoto.co.jp/rd/)にてご覧いただけます。

報道関係の方向けお問い合わせ先:pr_info@ajinomoto.com
 
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