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2013年3月6日
味の素(株)、米国のバイオ医薬品の開発・製造受託会社※1
アルテア・テクノロジーズ社の全株式を約160億円で取得
〜同社の経営資源を最大限活用し、バイオ先端医療分野※2で事業強化〜

 味の素株式会社(社長:伊藤雅俊 本社:東京都中央区)は、本日、米国のバイオ医薬品※3の開発・製造受託会社であるアルテア・テクノロジーズ社(社長:リック・ハンコック/Rick Hancock 本社:米国カリフォルニア州サンディエゴ市、非上場、以下アルテア社)の発行済全株式を約175百万米ドル(約160億円)で取得することについて合意に達したことをお知らせします。
 これにより、アルテア社の現行の経営資源(経営陣および従業員など)を最大限活用して事業基盤強化・拡大を図り、新会社を含め、急成長するバイオ先端医療分野全体で2020年までに売上高300億円超を目指します。

 バイオ医薬品とは、主に遺伝子組換え等のバイオテクノロジーを活用して、タンパク質やペプチド、核酸などにより創られた医薬品です。これまで治療が困難だった疾患への適用が可能であり、安全性が高く最小限の副作用で高い効能が期待されることから、市場は北米を中心に急成長を遂げています。ことに世界のバイオ医薬品の開発・製造受託市場規模は約23億米ドルで、今後も年平均10%超の成長が見込まれます。

 アルテア社は、バイオテクノロジー企業が集積する米国のサンディエゴ市で1998年に創業し、現在、バイオ医薬品のcGMP※4製造・開発サービスから製剤化までを手掛ける、製薬企業を顧客とする開発・製造受託会社です。同社はバイオ医薬品の製造に必要とされている各工程での高度な技術や厳格な品質管理・ノウハウを有していることから、顧客の高い評価を得ています。一方、当社は100年にわたるアミノ酸事業の中で培ってきたバイオテクノロジーを応用して、独創的なタンパク質の製法開発受託事業(CORYNEX® ※5)を推進してきました。

 今後、当社独自のバイオテクノロジーと、アルテア社が持つ高度な技術、経験豊かな人材、cGMPに準拠した開発・製造機能を組み合わせることにより、世界最大の北米市場を中心にバイオ医薬品の開発・製造サービス事業を更に拡大し、味の素グループのバイオ先端医療分野における事業を強化・推進します。

 当社は4月中にアルテア社を100%子会社化する予定です。2012年度業績への影響はありません。

<アルテア社概要>
(1)会社名:アルテア・テクノロジーズ社(Althea Technologies, Inc.)
(2)創 業 者:共同会長 マグダ・マルケット(Magda Marquet)
取締役 フランソワ・フェレ(François Ferré)
(3)社  長:リック・ハンコック(Rick Hancock)
(4)所在地:米国カリフォルニア州サンディエゴ市
(5)売 上 高:約53百万米ドル(2012年)
(6)従業員数:約220名
(7)事業内容:cGMPに準拠したバイオ医薬品の製法開発・製造受託(原薬製造・製剤充填・分析等)。
(8)ホームページ:http://www.altheatech.com


参考資料

用語説明
※1:開発・製造受託会社(CDMO=Contract Development & Manufacturing Organization
製薬企業などから、医薬品の製法開発、ならびに、前臨床・治験・商業段階までの製造を受託することを主たる事業として展開している企業。
※2:バイオ先端医療分野
当社がアミノ酸・核酸・タンパク質関連技術で貢献できる市場領域。
具体的には当社独自のCORYNEX®や動物細胞用の無血清培地技術によるバイオ医薬品や再生医療等の関連事業分野。
※3:バイオ医薬品
主に遺伝子組換え等のバイオテクノロジーにより創られた医薬品。これまで治療が困難だった疾患への適用が可能であり、安全性が高く最小限の副作用で高い効能が期待される。免疫機能を応用した抗体医薬品が代表的で、がんやリウマチの治療薬などがある。
※4:cGMP
current Good Manufacturing Practice([現行の]医薬品等の製品管理及び品質管理規則の略)。
米国のFDA(Food and Drug Administration、米国食品医薬品局)の医薬品等の製造、試験に適用される品質管理システムのこと。
※5:CORYNEX®
コリネ菌(グルタミン酸生産菌)を用いて、タンパク質・抗体医薬品などバイオ医薬品の生産を効率化する先端技術を活用した事業。


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